研究課題/領域番号 |
21K04944
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
守田 幸路 九州大学, 工学研究院, 教授 (40311849)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 高速炉 / 過酷事故 / 炉心損傷事故 / 計算科学 / 粒子法 / 多相流 / 熱流動 / 伝熱流動 / IVR |
研究開始時の研究の概要 |
高速炉の炉心損傷事故時の溶融燃料の原子炉内保持(IVR:In-Vessel Retention)を達成する上で重要な熱流動現象を解明するため、多成分多相流の伝熱・流動・相変化挙動等を精度よく解析できる計算科学的手法(粒子法)を用いた解析的研究を実施する。これまで実施された原子炉安全性試験におけるIVRの達成に関わる重要な支配現象を対象とした解析評価を行い、当該現象に介在する多成分多相流の伝熱流動挙動の機構を解明する。これにより、炉心損傷事故評価の信頼度を向上し、IVRを基本とする高速炉の安全論理の構築に資する。
|
研究成果の概要 |
高速炉の過酷事故時の炉心物質の原子炉内保持(IVR)を達成する上で重要な熱流動現象を解明するため、伝熱・流動・相変化を伴う多成分多相流挙動を高精度で解析できる計算科学的手法(粒子法)に基づく3次元熱流動解析コードを基盤技術として開発した。これまで実施された高速炉安全性試験において、IVRに関わる重要な支配現象として「溶融燃料プールから構造壁への熱伝達挙動」及び「噴流衝突による構造壁の浸食挙動」を選定し、これらを対象とした3次元粒子法シミュレーションを行なった。その結果、経験モデルに基づく従前の解析技術では高い精度での解析が困難な、これらの支配現象に介在する熱流動挙動のメカニズムを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、高速炉の過酷事故を対象としたものであるが、計算科学的手法である粒子法を基盤とする数値シミュレーション技術は、他の原子炉における過酷事故の熱流動現象解析にも応用できることから、汎用性、適用性に優れた原子力分野における安全評価技術のイノベーションと位置づけられる。また、本研究により、原子炉の過酷事故において重要な熱流動現象について、支配因子の影響度を定量的に明確化し、安全評価の妥当性を確認するための新たな知見や裏付けを提供できる。これにより、過酷事故評価の信頼度を向上し、原子炉の安全論理の構築に資することが期待される。
|