研究課題/領域番号 |
21K04950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
遠藤 駿典 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究職 (10851850)
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研究分担者 |
奥平 琢也 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (40826129)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ガンマ線円偏光 / 偏極中性子 / 円偏光ガンマ線 / ポラリメータ / 核データ / 全角運動量 |
研究開始時の研究の概要 |
原子核が中性子を吸収した際に生じる、複合核共鳴状態における全角運動量は、遷移モードの分岐比の決定や複合核の状態の記述において、原子力工学的にも核物理的にも重要なパラメータである。しかしながらその測定の困難さから、現在の評価済核データライブラリーに掲載された全角運動量は、あくまで推定値であることが多くその正確性に大いに疑問が残る。本研究では複合核共鳴の全角運動量の新たな決定手法として、偏極中性子吸収により生じるガンマ線の円偏光度の測定をもとに決定する手法の確立を目指す。中性子偏極装置の改良・高度化にも取り組み、本研究だけでなく偏極中性子を用いた新たな実験の可能性の掘り起こしにも繋げる。
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研究実績の概要 |
令和3年度に開発・性能評価を行ったガンマ線の円偏光度を測定する装置、ガンマ線ポラリメータを用いて、中性子捕獲反応において生じるガンマ線の円偏光度の測定を、J-PARC物質生命科学実験施設(MLF)のビームラインANNRIにおいて行った。硫黄試料に対し、ヘリウムスピンフィルタを用いて偏極させた熱中性子を入射し、中性子捕獲反応で生じたガンマ線の円偏光度を測定した。硫黄32の中性子捕獲反応により生じる5.4MeVのガンマ線の円偏光度の測定に成功し、ANNRIにおいて中性子捕獲反応で生じるガンマ線の円偏光度の測定が可能であることが実証された。最終目標である共鳴領域に対して同様の実験を行い、共鳴からのガンマ線の円偏光度の測定に挑戦する準備が整った。硫黄の測定の結果から5.4MeV以外の他のガンマ線の円偏光度も測定され、同様の手法を用いたガンマ遷移の遷移混合度や、スピンの推定などの研究が今後可能になることも示唆され、核物理研究への応用が期待できる。 また開発したガンマ線ポラリメータを用いて、分子科学研究所UVSORのビームラインBL1Uにてレーザーコンプトン散乱で生じるガンマ線の円偏光度の空間分布の測定に成功した他、ランタン139の0.75eV共鳴のガンマ線の円偏光度に対して制限を得る実験を行うなど、円偏光ガンマ線測定を用いた他の利用研究についても進め始めている。これらの研究は円偏光ガンマ線利用のさらなる拡大や、ガンマ線円偏光測定を用いた核反応研究につながる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度に開発し、円偏光ガンマ線を用いて性能評価を行ったガンマ線ポラリメータを、中性子捕獲反応で生じたガンマ線の円偏光度測定に用いるため、J-PARC・MLF・ANNRIに導入した。硫黄を標的とし、ヘリウムスピンフィルタで偏極させた熱中性子を照射し、発生したガンマ線の円偏光度の測定を実施した。硫黄32の中性子捕獲で生じる5.4MeVのガンマ線の円偏光度の測定に成功し、ANNRIにおいて中性子捕獲反応で生じたガンマ線の円偏光度の測定が可能であることを実証したとともに、円偏光度への感度であるAnalyzing Powerの評価ができた。これにより今後は最終目的である共鳴からのガンマ線の円偏光度の測定の準備が整ったことから、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
ANNRIにおいてインジウムの第一共鳴から放出されるガンマ線の円偏光度の測定を行なっていく。新たに偏極装置を導入するためのコイル等を作成し、熱外中性子を実験に必要な方向に偏極させ、かつ偏極を維持して標的まで輸送することを実現する、最終的に得られた共鳴からのガンマ線の円偏光度の結果から、共鳴の全角運動量の推定を行う。
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