研究課題/領域番号 |
21K04951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
米田 政夫 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究副主幹 (90469817)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 空洞検査 / 中性子 / 中性子線源 / 回転照射 / 地中空洞探査 / 回転照射法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、道路やトンネルに対する新たな空洞探査法として、中性子線源を高速回転させ、それから発する中性子を用いた手法を確立する。本手法は、測定対象物(道路表面等)近傍で中性子線源を数千rpmで回転させながら中性子を照射し、測定対象物から反射してくる中性子を計測することで地中空洞を直接検査するものである。本研究で用いる中性子線源は廉価で容易に扱うことができる表示付認証機器であり、測定装置は手押し台車等に搭載可能なほどコンパクトである。本研究は高い学術的独自性と創造性を有しているだけでなく、実社会への貢献という点においても大きな可能性を有している。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、中性子線源を用いた新しい路面空洞探査法を開発することである。測定対象物(道路表面等)近傍で中性子線源を高速回転させながら中性子照射を行い、測定対象物から反射してくる中性子を計測することで地中空洞を直接検知する。令和5年度は、主に実験による本手法の基礎的な検討に取り組んだ。 実験では中性子線源を回転させる回転照射装置を用いた。回転照射装置は、半径約20cmの円盤の縁付近に中性子線源(Cf-252)を取付け、円盤を回転させることで回転照射を行うものである。回転照射装置は台車程度の大きさであり、任意の場所に移動させることが可能である。円盤の回転速度は5000rpm以下の任意の速度を設定可能である。本手法の基礎原理を調べるため、まずは地面の模擬物質としては構造が単純なポリエチレンブロックを用いた。模擬地面内に空洞を設けることで、空洞の有無の影響を調べた。複数の中性子検出器(He-3検出器)を回転照射装置と模擬地面の間に並べて設置し、線源(円盤)の回転と同期した中性子カウントの時間推移を測定した。なお、中性子検出器は、主に熱中性子に反応するため中性子線源から発生する高速中性子の多くは中性子検出器を透過し、模擬地面で発生した熱中性子を主に測定する。基礎実験の結果、回転照射を行うことで空洞の有無の影響を明らかにすることができた。回転照射は、静的照射(非回転照射)より多くの情報が得られる可能性があることが分かり、R5年度は実験及びシミュレーションによってより詳細な検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、当初計画通り、基礎実験で必要となる回転照射装置、地面模擬物質及び中性子検出器を整備し、本研究手法の基本的な特性を調べるための基礎実験に取り組むことができたことから、本研究は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、令和4年度に実施した基礎実験を進展させ、より詳細な評価及び新たな測定方法の検討を進める。検討結果を基に測定データを効率的に処理・解析するツールについても開発する。
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