研究課題/領域番号 |
21K04955
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
武山 昭憲 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 主幹研究員 (50370424)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 原子スイッチ / ガンマ線 / 極限環境 / 高温 / 極限半導体デバイス / 耐放射線 / 金属酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
金属酸化物を基材とした原子スイッチは、導電性の酸素空孔の集合/離散によりオン/オフ 動作することから、放射線照射で生成する電荷の影響を受けにくく、高温・高放射線(極限 環境)で動作するデバイス(極限半導体デバイス)として期待されている。本研究では、極限環境下で動作可能な原子スイッチの実現を目指し、高温(≧500℃)+放射線(ガンマ線)(≧10MGy)という極限環境が原子スイッチの電気特性に及ぼす影響を把握し、劣化メカニズムの解明を行う。それにより原子力発電所の廃炉作業や、宇宙探査で長期的に安定動作する原子スイッチの実現を目指す。
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研究実績の概要 |
金属酸化物を基材とした原子スイッチは、導電性の酸素空孔の集合/離散によりオン/オフ動作することから、放射線照射で生成する電荷の影響を受けにくく、高温・高放射線(極限環境)で動作するデバイス(極限半導体デバイス)として期待されている。本研究では、極限環境下で動作可能な原子スイッチの実現を目指し、高温(≧500℃)+放射線(ガンマ線)(≧10MGy、メガグレイ)という極限環境での電気特性の劣化挙動の把握および劣化メカニズム解明を目指す。 今年度は、金属酸化物に酸化チタン(TiO2)を用いた原子スイッチに数百℃(~500℃)で高線量のガンマ線(≧10MGy)を照射し、電気特性の劣化挙動を把握する照射容器の製作を行った。さらに照射で原子スイッチに生成した結晶欠陥の情報を得るため、可視~赤外光まで約0.05eV刻みの波長で発光ダイオード(LED)を照射しつつ、フェムトアンペア(fA)オーダの微小電流を測定できる系を整備した。実際にモデル素子である炭化ケイ素(SiC)トランジスタに光照射しながら電気測定を行い、照射で生成した欠陥が把握できることを実証した。 一方、原子スイッチの作製に関しては、導電性コーティングが施されたガラス基板上に前駆体溶液をスピンコーティングし、500℃1時間の焼成でTiO2薄膜ができることを確認した。またコーターの回転数とTiO2薄膜の品質との関連性を調べた。並行して、TiO2薄膜上面に形成する銀(Ag)電極の形成条件を調べた。 以上から、原子スイッチの作製、ガンマ線照射、素子特性の把握が可能になり、研究を遂行できる環境が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度から引き続く世界的な半導体や資材不足により、照射容器や電気測定に必要な部品の欠品や長納期が発生し、実験環境の整備に時間がかかった結果、作製した原子スイッチの照射と照射後の電気測定実施に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究を実施する環境が整ったため、速やかに原子スイッチの照射に着手し照射劣化の把握と劣化メカニズム解明に取り組む。得られたデータを学会や論文など発表し、積極的な発信に努める。
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