研究課題/領域番号 |
21K04967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分31020:地球資源工学およびエネルギー学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡邉 康一 九州大学, 洋上風力研究教育センター, 学術研究員 (30811799)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 風力 / 省エネ / 煙突排気 / 煙突 |
研究開始時の研究の概要 |
工場の煙突や地下道路の換気塔などの排気用タワーには,しばしば強制排気用のファンが設置されている.申請者らは風力を用いて煙突内部に風を生み出す技術により,それらの消費電力を大幅に削減できることに気付いた.実験やシミュレーションにて,既存の煙突に強い風を生じさせる構造体形状を見出し,野外実証する.風向変動の影響を受けず,かつ小さな構造体で強い風を生じさせる技術を確立し,風力エネルギーの140%に相当する電気の節約を目指す.小さな投資で,大きな省エネ効果を生み出す方法を社会に提案すると同時に,創エネだけでなく省エネ利用で風力の利用効率を高められるという新たな視点と研究分野の広がりを提供する.
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研究成果の概要 |
野外の風力を用いて、排気用タワーに用いられる強制排気用のファンの消費電力を大幅に省エネすることを目的とし、効果的な排気タワーの形状を研究した。タワー内の排気風速が野外の上空風速と同程度以下の場合、タワーの出口形状や上空風速が省エネ性能に大きく影響し、スリットとガイド板をもつタワー出口形状とすることで、風向に依存せずに高い省エネ効果を発揮できることを発見した。一方、排気風速が上空風速より高い場合には、大きな省エネ効果を得るためにはタワー自体をディフューザ形にすることが必要で、高アスペクト比ディフューザ形状を採用することにより、ファンの消費パワーを最大で70%程度削減可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
工場の煙突や地下道路の換気塔などの排気用タワーには、しばしば強制排気用のファンが設置され、大きなものは数メガワットの電力を常時消費している。再生可能エネルギーである風力や、流れの流体力学的な性質を活用すると、ファンの消費電力を削減でき、排気システムの運用コストを抑えながら、環境保全にもつなげることができる。本研究で得られた成果は、上空の風向に依存せずに風力を用いながら、ファン消費パワーを最大70%削減可能なタワー形状を提案したこと、及びその際の流体現象を明らかにしたことである。これにより大きな省エネ効果と、創エネだけでなく省エネ利用で風力を利用するという新たな視点、研究分野の広がりを提供する。
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