研究課題/領域番号 |
21K04985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
齋藤 徹 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (80747494)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 金属酵素 / 擬縮退電子系 / 量子/古典混合分子動力学 / 機械学習 / 競合的阻害剤 / 半経験的量子化学計算 / 代謝部位予測 / 結合解離エネルギー / 反応自由エネルギー曲面 / 結合親和性 / 量子/古典混合近似分子動力学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
金属酵素の多様な機能は、タンパク質の立体構造と活性部位の配位構造・電子状態が協同的かつ柔軟に変化することで発現される。本研究では高精度と低コストを両立した量子化学計算に基づく量子/古典混合近似分子動力学(QM/MM-MD)法を提案する。立体構造変化と活性部位の化学反応過程の同時追跡を可能にし、自由エネルギー変化に基づく反応活性や結合親和性の定量評価を行う。得られた結果に基づき、酵素反応機構やリガンドの結合機序の解明するとともに、競合的阻害剤の新たな設計指針を見いだす。
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研究成果の概要 |
疾患の原因となる金属酵素のはたらきを阻害する医薬品設計に貢献すべく、酵素反応過程や阻害過程をコンピュータ上で追跡できる分子シミュレーション基盤技術を構築した。得られた結合自由エネルギーに基づき、結合の仕方や結合の強さが基質と阻害剤とでどのように異なるのかを定量的に示すことができた。半経験的量子化学(SQM)計算と機械学習(ML)を併用したSQM/MLモデルを開発し、予測が困難な薬物代謝部位や反応速度定数を高速かつ高精度に予測できるようにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属酵素のはたらきを理解するためには、タンパク質全体の構造情報に加えて反応速度や結合親和性などの定量的な情報が重要となる。金属酵素活性部位の電子状態は複雑なため、既存のアプローチでは十分な追跡が行えない状況にあった。本研究により、金属酵素の高次構造と活性部位の化学反応過程を同時にかつ定量的に解析できるようになったことは大変意義深く、国内外を問わず当該研究分野の先導的役割を果たすと考える。本アプローチは、がん細胞のDNAとシスプラチンなどの金属含有薬剤との相互作用解析や人工酵素の設計にも展開でき、医薬品設計、材料設計など各方面への波及効果が期待される。
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