研究課題/領域番号 |
21K04994
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
奥村 光隆 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (40356712)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 触媒表面の構造活性相関 / 貴金属クラスター / 理論計算 / 酸素分子活性化 / 非化学量論比酸化物担体 / ソフトルイス酸的触媒反応 / 貴金属担持クラスター触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
実在系の金属クラスター担持触媒表面のモデル化は、実触媒の構造を詳細に検討して構築する。特に 【a】クラスターまたは単原子と担体の接合構造 【b】酸化物担体などの露出表面の特定方位面が有する表面原子の配列様式 の2点が、還元性ガスによって化学量論比からずれた表面状態が生成したり、反応ガスに存在する物質の吸着によって、活性点が変化させられる。これらを理論計算の観点から明確化する。
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研究実績の概要 |
化学量論比からずれたNiO担体上に金クラスターを固定化した金担持触媒のアリルアルコールの異性化反応に対してNi欠損と過剰酸素が存在する2種類の担体上での反応機構を理論計算で検討したところ、どちらも触媒サイクルが容易に進行することを明らかにした。それに対して量論比のNiO担体では、反応初期のアルファ炭素からの水素引き抜き反応時に、アルコールのOH基から脱離したHを担体表面で保持できず反応が進行しないことも明らかとなった。これにより、NiO担体では、化学量論比から逸脱している表面の重要さが触媒反応の進行に重要であることが明らかとなった。また、生成物の脱離に関しては、追加のアルコール分子を表面吸着させることで、生成物の脱離を促進できることもあきらかとなった。一方、触媒活性が著しく低い酸化ランタンでは反応の進行とともに得られる中間体が熱力学的に不利ななものとなっていることも明らかとなった。このほかにも、金担持チタノシリケート触媒においては、プロピレンオキシドの生成のかなめとなるTiOOH種の生成がアナターゼ型酸化チタンよりも活性化障壁が高くなる傾向があるとともに、その分解反応は熱力学的に不利であることが理論計算から明らかとなった。このことは、金担持チタノシリケート触媒が金担持アナターゼ型酸化チタン触媒と同じ温度では低活性であるとともに、反応温度が高くなると活性が上昇すること、および高温での反応性と選択性の高さを証明する結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載している計画をほぼ遅滞なく進行できている。また、機械学習ポテンシャルの研究に関してはすでに終了しているものも含まてれている。今後、CO酸化反応やソフトルイス酸触媒反応についても鋭意進行していくものである。
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今後の研究の推進方策 |
ソフトルイス酸触媒反応に関しては、分子上酸素の分圧が触媒活性に大きく影響を与えるため、担体表面を分子上酸素で修飾したモデルについての研究を進める。 また、機械学習ポテンシャルを用いてクラスターサイズの大きなモデルに関しても研究を推進する。 アリルアルコールの異性化反応に関しては、低活性のランタンオキサイドの結晶系の違いによる反応機構の検討を進め、構造活性送還をさらに明確化する。
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