研究課題/領域番号 |
21K04997
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
藤澤 知績 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (60633493)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 低温ラマン光学活性分光 / 光受容タンパク質 / ラマン光学活性分光法 / 低温ラマン分光法 / ラマン光学活性 / 低温分光法 / 光受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内で働くタンパク質はアミノ酸が立体的に連なった高分子であり、タンパク質の中には色素を内包したものが身近に存在する。例えば動物の目の中の光受容体は、タンパク質の中の色素が光を吸収して、その光化学反応によって最終的に光感知信号が導かれる。動物の視覚に代表されるこのような化学反応は、立体的なタンパク質の中で起こる、立体的な色素分子の化学変化である。しかし、今日でもタンパク質の中で反応する分子の3次元的な姿(構造)を正確に捉える技術は未熟である。本研究では、分子の3次元的構造に鋭敏なラマン光学活性分光法を用いて、生物の光受容体の中で反応する分子の立体構造を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
最終年度において、低温ラマン分光法を用いて種々の光受容体の反応中間体の計測を進めると同時に、これらの中間体を対象をしたラマン光学活性測定装置の開発を継続して行った。昨年度まで、低温ラマン測定の対象としたのは主に光駆動型のイオンポンプ等として働く微生物型ロドプシンや青色光センサーとして知られる光活性イエロータンパク質であったが、最終年度では動物型ロドプシンやシアノバクテリオクロムといった光受容体へと測定対象を広げた。シアノバクテリオクロムはテトラピロール発色団を結合した光受容体であり、この構造自由度の大きな発色団の解析には良質な振動スペクトルの取得が必要とされる。低温ラマン分光法によってシアノバクテリオクロムの一種であるRcaEの光反応中間体に対して、シグナル・ノイズ比の高いラマンスペクトルを取得可能であること示した。また、得られたスペクトルに基づいてRcaEの機能発現における分子機構を調査した。 上記の光受容タンパク質群の光反応中間体を対象とした低温ラマン光学活性装置の開発においては、液体窒素冷却型のクライオスタットを組み込んだラマン光学活性装置を製作し、実際に微生物型ロドプシン等の光受容タンパク質の中間体の測定を実施した。低温下で捕捉した初期中間体のラマン光学活性スペクトルに偽信号が含まれていないか、あるいは電子円二色性スペクトルとの整合性が取れるかといった観点から、得られたデータの信頼性を検討した。
|