研究課題/領域番号 |
21K05001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
上田 康平 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 准教授 (60612166)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 比熱 / フォノン |
研究開始時の研究の概要 |
固体の比熱には格子振動の寄与が含まれている。しかし,比熱から格子振動がどのように分布しているかを求めることは,一般に困難である。実在物質の比熱から格子振動の解析に成功した例はほとんどない。本研究では,AIの一種である遺伝的アルゴリズムをもちいて,比熱から格子振動を解析する手法を開発し,実在物質の解析に適用する。さらに,その手法をもちいて,これまで分離困難であった小さな熱異常の分離方法を確立する。
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研究成果の概要 |
比熱はフォノンを含むすべての自由度の寄与を反映するが,フォノンの周波数分布(g(ω),ωは振動数)を比熱から求めることは,一般に困難であり,実在物質のg(ω)を比熱から解析し,さらにその解析結果を熱異常に対する正常比熱の決定に用いることは,ほとんど成功していなかった。本研究では遺伝的アルゴリズムを利用したg(ω)の解析方法を開発し,さらにそれを比熱の解析方法に応用する方法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
比熱からのg(ω)解析は,Einstein模型,Debye模型から始まる100年間にわたって取り組まれてきた問題である。しかし,従来の手法には多くの制約があり実在物質の解析はほとんど行われていなかった。本研究ではこれらの制限を解決した。この新手法により,これまで議論できなかった小さな熱異常や低エネルギー励起等の解析が可能となった。また,熱工学や材料科学の分野でg(ω)の情報が必要とされ、データベースの構築も進んでいる。中性子実験などに比べてはるかに手軽な比熱測定から,正確なg(ω)を決定できるようになり,実学への応用も大いに期待できる。
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