研究課題/領域番号 |
21K05010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
加藤 恵一 城西大学, 理学部, 准教授 (80374742)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 単分子磁石 / 軽希土類 / セリウムイオン / 単結晶 / 酸化還元 / 希土類イオン / 価数揺動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、単分子磁石(Single-Molecule Magnet = SMM)の希土類イオンの価数変化および価数揺動に伴う磁気特性制御に注目した。SMMは、配位子場制御された一軸磁気異方性によって分子一つが磁石として振舞う金属錯体化合物群である。また、SMMは数ナノサイズの磁石であるため超高密度磁気記録デバイスとしての利用が期待されている。申請者は、セリウム(Ce)イオンが3価(4f1:常磁性)と4価(4f0:反磁性)が安定に存在できることから酸化還元に伴う磁気制御に注目した。希土類金属のイオンサイズ/価数変化/価数揺動を利用する新たなSMM機能開拓にチャレンジする。
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研究実績の概要 |
単分子磁石(SMM)とは分子全体で磁化が揃う古典磁石とは違い、一分子のみで磁石として振る舞う物質群であり、今後高密度情報デバイスなどへの応用が期待されている。SMMをスピンデバイスへ応用するためには単分子スケールでのスピンの可逆的制御が必要不可欠である。そうした課題の解決に向けて様々な手法によるSMMとnon-SMM間のスイッチングが報告されているが、非磁性体からSMMへのスイッチングへの報告が非常に少ない。本研究では、非磁性体Ce(Ⅳ)-フタロシアニン二層積層型単核錯体(CePc2)を化学的に還元しCe(Ⅲ)錯体とすることでSMM挙動を観測した。その一方、錯体の構造と磁気性能の因果関係の解明や電気化学的に安定な還元体単離など未解決部分も多い。本年度はCePc2の片方をテトラフェニルポルフィリナト(TPP)に変えたヘテロ積層型Ce(Ⅳ)錯体Ce(Pc)(TPP)を合成し、CePc2と比較しつつ構造と磁気特性の相関を明らかにすることを目的とした。これは、Square prismとSquare-antiprism型の配位環境で磁気特性を比較するためである。また、Ce(Ⅳ)(TPP)(Pc)を還元体の合成を試みた。還元体の生成は各種スペクトル測定で確認できたが、単結晶が得られていないため単結晶構造解析によるCe(III)イオンの配位環境は今後の課題である。また、単結晶および固体状態における電気化学測定の手法を確立したので、次年度以降Ce錯体に適用していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の新型コロナウイルス感染症に伴う行動規制のため研究が予定から遅れている。徐々に研究は進んでいるが、現状はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題では、軽希土類単分子磁石(SMM)の価数変化および価数揺動に伴う磁気特性制御に注目している。今後は単結晶をもちいて各種Ce(Ⅳ)錯体の中心Ceイオンの可逆な酸化・還元(Ce3+/Ce4+)を電気化学的に明らかにする。単結晶および固体状態における電気化学測定の手法を確立したので、次年度以降Ce錯体に適用していく予定である。また、Ceイオンが3価(4f1:常磁性)の還元体を合成単離し、磁気特性評価および単結晶構造解析から中心Ceイオンの配位環境を調べ、構造と磁気特性の相関を明らかにする。
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