研究課題/領域番号 |
21K05027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
村田 理尚 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (30447932)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クロスカップリング / π共役ネットワーク / 蛍光色素 / 有機半導体 / シミュレーション / 超分子 / マテリアル / メカノクロミズム / π共役分子 / 固体物性 / アモルファス / 結晶 / エキシマ― / 蛍光 / π-π相互作用 / 湾曲π電子系 / Scholl反応 / ナノカーボン / ドミノクロスカップリング / 短段階合成 / 固体発光材料 / 近赤外発光材料 / 量子化学計算 / n型半導体材料 / 直接クロスカップリング反応 / 直接クロス環化反応 / C-Hドミノ官能基化 |
研究開始時の研究の概要 |
フラーレン,カーボンナノチューブ,グラフェンなどの炭素素材は,6員環と5員環からなるネットワーク構造により構築されている。炭素ネットワークに5員環を組み込むと,優れた電子受容性や特異な反応性などを示す分子が得られる。本研究では,5員環を含むカーボンネットワークの構造変換法を開発することにより,新たな物質群を創出し,固体発光性材料や電極材料として展開できる可能性を探究する。
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研究成果の概要 |
本研究は,酸化的C-H/C-Hカップリング(Scholl反応)を用いる短段階での合成ルートにより,π共役ネットワーク構造を合成することを目的に実施されたものである。ベンゼンなどの単純なアレーン類を試薬とするSchollクロス環化やドミノSchollクロスカップリングとも言うべき新規性の高い合成反応を見出すことができた。さらに,ペンタセンなど直接の変換が困難とされてきた分子にも適用できることがわかった。この反応は,ラジカルカチオン機構や,我々が独自に提唱しているジカチオン機構により,合理的に説明できることがわかった。今後の有機半導体材料および固体発光性材料の開発に貢献する知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化的C-H/C-Hカップリング反応(Scholl反応)は,π共役ネットワークを合成するための強力な手法である。本研究では,分子間Scholl反応に関して,ベンゼンを試薬として用い,テトラセンに合計6つのベンゼン分子が連続的に反応する分子間ドミノScholl反応を初めて見出した。Scholl反応は,これまで主に分子内反応において強力な威力を発揮すると考えられてきた。分子間の連続反応は長い歴史の中でも前例のないタイプの反応例であり,高い学術的意義をもつものである。今後,前駆体の精密な分子設計とその合成が不要になる可能性も期待されることから,材料科学への貢献において意義のある成果である。
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