研究課題/領域番号 |
21K05031
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上遠野 亮 北海道大学, 理学研究院, 助教 (60432142)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | テレフタルアミド / マクロサイクル / 三重結合 / ねじれ優先性 / 協同性 / 面不斉 / モル旋光度 / キラリティ伝達 / 多元的動的キラル空間 / キラル増幅 / 多元的キラル空間 / "キラル増幅" |
研究開始時の研究の概要 |
動的にキラルなマクロサイクルを単量体として複数化することにより、多元的な動的キラル空間を創り出す。この単量体マクロサイクルは、単独ではねじれ優先性を発現しない。これを多元的に配置したキラル空間においては、個々のマクロサイクルのねじれ優先性が発現・増幅する現象を想定し、実際に観測することを目的とする。 多量化の方法として、積層と縮環を採用する。前者は、プロトタイプとして定性的な観測を、後者は多元的配置によって生じるねじれ優先性を比として定量的に観測することを期待する。
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研究成果の概要 |
"キラル増幅"の新たな一面を提示した。それは、「動的にキラルな空間を連続して多元的に配置することで一つの分子を構築した場合、個々の空間における配座優先性が、周囲のそれと相互影響することで、自発的に増幅する現象」と定義した。 本研究では、積層や縮合を通じて様々な多元的動的キラル空間を構築し、それぞれ特定のキラル構造が自発的に誘起されることを見出した:アキラルな平面を重ねて架橋しただけで、分子は自発的にねじれ方向を決める。動的にキラルなマクロサイクルは、自身が置かれた環境に応じて、周囲のねじれ優先性と相互影響し、特定のキラル構造が支配的になる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラル増幅という用語は、既に多義的に用いられてきた。自身では極めて小さな光学活性しか示さない小分子が、錯体を形成することでより大きな光学活性を示すようになる現象や、鎖状分子あるいは超分子的集合体の伸長に際し、二次的に誘起された別のキラル構造が元の単位構造の光学活性より大きな光学活性を示すようになる現象等をさす。本研究では、光学活性の大小ではなく、分子内に複数の動的キラル構造を配した場合、単独で存在する場合と比べて、集積体中でそのねじれ優先性が増大する新たな現象として定義した。この増幅機構に基づけば、既存の限定的なキラルモチーフに依存せず、多様なキラル高次多量体を設計することが可能になるだろう。
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