研究課題/領域番号 |
21K05040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山本 陽介 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 名誉教授 (50158317)
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研究分担者 |
SHANG RONG 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (70754216)
中本 真晃 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (90334044)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 不安定中間体 / カルベン / 三重項 / 速度論的安定化 / 立体保護 / 三重項カルベン / 合成 / ESR / 単離 / 構造 / 反応 |
研究開始時の研究の概要 |
現在は,三重項カルベンと室温で反応しない溶媒の調査を行っており,予備調査として, クロロベンゼンを用いているが,三重項カルベンが生成している予備的結果を得ている。目的物 は二電子酸化されたジカチオンであり,クロロベンゼンの反応溶液から沈殿として析出して きている。残った溶液には一電子酸化体が存在していることが,ESRで観測できており,ク ロロベンゼンに溶解している一電子酸化体と酸化剤・酸化剤が酸化されたことによるアミン と,沈殿として析出している目的物の分離に成功していると考えている。
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研究実績の概要 |
研究目的である熱的に安定な三重項カルベンの合成を達成したと考えているものの、溶媒であったジクロロメタンでは、-50°Cでも徐々に分解することがわかった。本系は、光分解でなく酸化反応によって目的の三重項カルベンを合成しているため、系中には、酸化剤の残りや酸化した後の酸化剤の還元体が残っており、それらを系中から取り除かないといけないという非常に大きな問題があった。そこでジクロロメタン以外のいろいろな溶媒を試したが、クロロベンゼンでは目的の三重項カルベンがジカチオンであるために溶解度が悪いものの、酸化剤の残りや酸化した後の酸化剤の還元体と思われる生成物は溶解するため、主な不純物を濾過で取り除くことができたと考えている。現在は、目的である熱的に安定な三重項カルベンの同定に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
15年以上かかってようやく研究目的に到達できつつあると考えている理由は、溶液中では三重項カルベン特有のピークが観測されていたためである。しかし、その中には、一重項酸化剤と考えられるESRピークが主要ピークとして観測されていたので、目的の三重項カルベンは観測されたものの、酸化剤および酸化剤の還元体を系中から取り除いて、三重項カルベンを精製する必要があるという状況であった。しかし、ようやく適切な溶媒を見つけたので、精製できたと考えている。ただ、固体中では、三重項カルベン特有のピークは観測できていないので、ESR測定条件の検討などをおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、固体におけるESR観測、あるいは再結晶を行いたい。ただ、再結晶に適した溶媒は見つかっておらず、ジクロロメタンには溶解するものの、-50°Cでも徐々に分解することもわかっている。なので、多大なテクニックが要求されるので、そこまでは辿り着けないかもしれない。が、固体で精製できたことが確認したい。
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