研究課題/領域番号 |
21K05053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 帝京科学大学 (2022) 京都大学 (2021) |
研究代表者 |
高谷 光 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (50304035)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 未利用バイオマス / 木質バイオマス / セルロース / リグニン / ペプチド / マイクロ波 / ボールミル / メカノケミカル / バイオマス / 人工酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
未活用植物バイオマスの循環資源化を目的として,リグニン/セルロース認識能を有するメタル化ペプチド人工酵素を開発し,バイオマス中のリグニン/セルロースの直截的かつ選択的分子変換による有用化成品生産法を開拓する。本研究では,1)リグニン/セルロースに特異結合する5~15残基程度の基質認識ペプチドと触媒機能を有するメタル化アミノ酸・ペプチドを連結したペプチド人工酵素を創出し,これを用いて2)リグニン廃液,農業廃棄物,廃棄木材中のリグニン/セルロースを選択的に分解・変換して,有用芳香族分子・機能性セルロース等を与える分子変換法を開拓する。
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研究実績の概要 |
未活用バイオマスの循環資源化を目的として,リグニン/セルロース認識能を有する低分子量のペプチド人工酵素を開発し,バイオマス由来のリグニン/セルロースの直截的かつ選択的分子変換による有用化成品生産法の開発を目的とした研究を行った。具体的には,1)リグニン・多糖類・蛋白質・脂質が混在する高密度な分子夾雑系において,リグニン/セルロースに特異結合する5~15残基程度の基質認識ペプチドと触媒機能を有するペプチドの探索・発見,2)認識ペプチドと触媒分子を結合した低分子量ペプチド人工酵素の創出,3)植物バイオマスの循環資源化を目的とする,リグニン/セルロースの選択的分解・変換法の開発および有用芳香族分子・機能性セルロース等を与える新しい分子変換法である。 令和4年度では,前年度に引き続き,リグニン/セルロース源として未活用バイオマスであるリグニン(クラフトリグニン,アルカリリグニン,改質リグニン(森林総研,山田竜彦拠点長提供),稲藁などの農業廃棄物,廃棄木材等を基質とする分解・変換法について基礎検討を行った。その結果,廃棄建材などの木材廃棄物や稲わらなどの農業廃棄物を原料として,適当な触媒と混合した後にマイクロ波反応やボールミル装置によるメカノケミカル反応を行うことによって,通常加熱では得られない有用芳香族や置換セルロース化合物が得られることを見出した。特にリグニン/セルロースのボールミル反応では,セルロースーリグニンの分離およびナノ化という材料レベルの形態変換から,官能基の変換や化学結合の切断を伴う分解が進行し,アセチル化あるいはエステル化されたリグニンやセルロース誘導体がワンポットで得られることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度に異動のため研究拠点が京都大学化学研究所より,現職の帝京科学大学生命環境学部に変更となり,新たな研究環境の立上げ等に時間がかかり,研究の進捗に影響が出た。メカノケミカルおよびマイクロ波を用いる素反応検討に注力した研究を行い,ある程度の結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度ではマイクロ波およびボールミルを用いるメカノケミカル反応の基礎検討に注力した。その結果,バイオマスの分解・変換に極めて効果的であることを見出し,木粉等からのリグニン/セルロースの分離とリグニン/セルロースのナノ化,オリゴリグニン/オリゴセルロースの変換/分解反応をワンポットで行うことが可能であることを明らかにした。令和5年度には,これらのマイクロ波/ボールミル反応技術とリグニン/セルロース認識ペプチドおよび新規に合成した触媒を組み合わせて,より高選択的・高活性なバイオマス分解・変換反応の開発に取り組みたい。
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