研究課題/領域番号 |
21K05060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 (2022-2023) 慶應義塾大学 (2021) |
研究代表者 |
齊藤 巧泰 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00758451)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 二酸化炭素 / 脱離反応 / 触媒反応 / 双性イオン中間体 / 付加環化反応 / 脱炭酸反応 / 酸触媒 / 炭素-炭素結合形成反応 / 環化反応 / 立体選択的合成 / 双性イオン / 脱炭酸 / 置換反応 |
研究開始時の研究の概要 |
脱炭酸型オキシアリルカチオン発生法を基盤とする分子内反応を開発し、高度な分子構造の立体選択的構築に連動させる。また、分子内反応よりも普遍性のある分子間反応への応用展開も行い、特に分子間での炭素―炭素結合形成に応用し、脱炭酸型分子変換の合成化学的有用性を向上させる。さらに次の段階として、二酸化炭素以外の小分子の脱離を利用した双性イオン種の創製にも着手し、脱窒素を伴う活性種の発生にも取り組む。
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研究実績の概要 |
二酸化炭素を中心とする小分子の脱離反応を起点とした双性イオン等価体の発生と反応開発を以下の三項目[1]-[3]に分類して検討を行った。 [1] 脱炭酸型双性イオン発生法に基づく分子内反応の開発(付加環化反応、中員環合成) 1. 分子内[3+2]付加環化反応: 昨年度、最適化されたブレンステッド酸触媒を用いて、基質一般性を調査した。また、反応機構についても、基質のアルケン部位の幾何配置と生成物の相対立体配置の比較から、本反応が立体選択的反応であることを明らかとした。本年度では、さらなる一般性の拡張を行い、本研究内容を学術誌に報告した。2. 中員環合成: 昨年度において、すでに研究内容を学術誌において報告した。 [2] 脱炭酸型双性イオン発生法に基づく分子間反応の開発(置換反応、付加環化反応): 計画したアリル化反応、シアノ化反応およびシリルエノールエーテルとの反応については、すでに昨年度学術誌に成果を報告した。今年度は、分子間での付加環化反応に取り組んだ。現在のところ、付加環化反応は困難であり、脱炭酸後の中間体に付加反応が起こることまでが確認できている状況である。 [3] 脱窒素型双性イオン発生法に基づく反応開発: 昨年度含窒素基質としてトリアゾール誘導体の合成を行い、本年度はその脱窒素反応を検討してきた。とくに酸触媒の効果を検討したところ、脱窒素反応が起きていることは確認できるものの、その後中間体の反応性が高く、収率良く目的物を得るには至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請した研究課題について、計画した三項目の研究テーマ[1]-[3]のうち、[1]および[2]は、申請内容の大部分を成果報告までを行うことができた。 [1] 脱炭酸型双性イオン発生法に基づく分子内反応の開発(付加環化反応、中員環合成) 1. 分子内[3+2]付加環化反応: 本年度は、基質一般性の検討と反応機構を調査し、本研究内容を学術誌に報告した。2. 中員環合成:昨年度において、すでに研究内容を学術誌において報告した。 [2] 脱炭酸型双性イオン発生法に基づく分子間反応の開発(置換反応、付加環化反応): 計画したアリル化反応、シアノ化反応およびシリルエノールエーテルとの反応については、学術誌に成果を報告することができた。また、本概念を分子間での付加環化反応に展開し、その予備的成果を得た。 [3] 脱窒素型双性イオン発生法に基づく反応開発: 昨年度までに合成した基質の反応検討を実施し、その反応性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、申請課題の[2]および[3]に焦点を当てた研究展開を行う。 [2] 脱炭酸型双性イオン発生法に基づく分子間反応の開発(置換反応、付加環化反応): 分子間付加環化反応について、さらなる検討を行う。昨年度までは、従来の基質の脱炭酸反応に対し、電子求引性基と電子供与性基を併せ持つアルケンとの反応を試みたが、単純な付加反応が起こるのみで、環化体を得るには至っていない。本年度はアルケンの置換基効果をさらに系統的に調べ、また基質についても本反応を指向した設計・合成を行う。 [3] 脱窒素型双性イオン発生法に基づく反応開発: トリアゾールを基本構造とする基質の反応を検討を継続して行う予定である。また、現在は分子内反応で脱窒素反応中間体を補足する反応設計であるが、分子間反応での補足も併せて検討する。また、分子間反応については、トリアゾール以外の基質の脱窒素反応も併せて検討する予定である。
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