研究課題/領域番号 |
21K05064
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
是永 敏伸 岩手大学, 理工学部, 教授 (70335579)
|
研究分担者 |
岡崎 雅明 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (20292203)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 計算化学主導型触媒開発 / FLP触媒 / 水素化反応 / 遷移状態 / 溶媒効果 / 不斉ルイス塩基 / 不斉ホスフィン / 不斉水素化 / 不斉ルイス塩基触媒 / DFT計算 / キラルルイス塩基触媒 / ルイス塩基性 / メタルフリー / インタープレイ型触媒開発 / メタルフリー触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、計算化学主導型の有機分子触媒の開発を実施する。 対象とする触媒は、嵩高いルイス酸とルイス塩基からなるFLP触媒である。FLP触媒はメタルフリーな水素化触媒として注目されているが、単純ケトンを用いた不斉水素化の難易度は非常に高く、モデル化合物であるアセトフェノンを反応基質として用いた場合の不斉収率は90% eeに満たない。そこで、実験と計算のインタープレイ法を実施し、単純ケトンの不斉水素化で95% ee越えを達成できる新規不斉FLP触媒を世界に先駆けて開発することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
計算機と実験を融合させたインタープレイ型触媒開発により、メタルフリーな不斉FLP触媒による単純ケトンの不斉水素化反応を目指した。キラルルイス塩基の量子化学計算に基づいた設計を行い、実際に10種類の触媒を合成して不斉収率を見たところ、予想値よりも大きく選択性が低下した結果しか得られなかった。実験と計算によりこの結果を精査したところ、溶媒効果を効かせた計算による遷移状態と実際の反応中の遷移状態の間に解離が生じたため、正確性に欠ける予測となった事が示唆された。この解離の原因は、計算では考慮されない、実溶媒分子の影響であると考えられた。そのため、実溶媒分子を評価した計算システムの開発を開始している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インタープレイ型触媒開発は新触媒を効率的に開発するための強力な手法となり得るが、まだ黎明期であり、実験化学者が容易に利用できる手法ではない。そこで研究代表者は、将来におけるインタープレイ法利用の一般化を目指し、この手法を用いた計算化学主導型の触媒開発を実施した。対象とする不斉FLP触媒は メタルフリーな水素化触媒として注目されているが、単純ケトンを用いた不斉水素化の難易度は非常に高い。そこで、本研究では単純ケトンの不斉水素化で95% ee越えを達成できる新規不斉FLP触媒を世界に先駆けて開発することを目的とした。以上のように、研究の進め方と研究結果、両方で学術的意味を有する。
|