研究課題/領域番号 |
21K05077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
伊藤 元気 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (30610919)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 芳香族化合物 / アライン / アミン / ボロン酸 / シリカゲル / 固相反応 / トリアゼン |
研究開始時の研究の概要 |
アラインは、芳香環上に多くの置換基をもつ化合物の合成に広く用いられている有用な反応中間体である。本課題では、入手容易で安定な新規アライン前駆体である2-トリアゼニルアリールボロン酸の開発を行う。我々は最近、本前駆体がシリカゲルを用いた穏やかな条件でアラインを発生することを見出しており、本手法を詳細に検討することで、より簡便に様々な芳香族化合物を合成することが可能になりえる。また、より環境に優しい無溶媒条件下での固相反応の開発や、酸や金属を用いた反応性制御による複雑な化合物の合成にも展開できると考えている。
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研究成果の概要 |
(1)新規アライン前駆体として2-トリアゼニルアリールボロン酸の開発に成功した。本前駆体は合成容易かつ安定でありながら、シリカゲルを用いる穏和な条件でアラインを発生することを見出した。さらに、ボロナート化とシリカゲル処理をワンポットで行うことで、過剰の前駆体を用いずに高収率が得られた。 (2) 2-トリアゼニルアリールボロン酸が酸処理によってもアラインを発生することを見出した。 (3)これまでに報告のなかった3-トリアゼニルアラインを利用し、アルキニル基が置換した2-トリアゼニルアリールボロン酸の効率的合成法の開発に成功した。これにより二度のアライン反応を連続して行うことが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アラインは、置換芳香族化合物の合成における有用な中間体であり、特にフッ素イオンを用いてアラインを発生する前駆体が開発されて以来、様々な化合物の合成に利用されてきた。穏和な条件で利用可能なアライン前駆体の開発は今なお重要な課題であり、アラインの適用範囲のさらなる拡張につながる。今回開発に成功した2-トリアゼニルアリールボロン酸はシリカゲルによってアラインを発生でき、フッ素イオンを用いる手法以上に穏和な条件で使用できる。さらに合成容易で安定なことから、極めて実用性な前駆体である。これらの特徴を活かし、連続的なアライン反応などの合成的応用が可能であることを示した。
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