研究課題/領域番号 |
21K05091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松尾 司 近畿大学, 理工学部, 教授 (90312800)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 典型元素 / 主要族元素 / 多重結合 / 不飽和結合 / テトリレン / テトレン / カルベン / 立体保護基 / シレン / ゲルメン / スタネン / シリン / ゲルミン / スタニン / ジアゾメタン / テトリン / 高周期14族元素 / ハロテトレン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、次の3つから構成される。 1.ハロテトレンの合成とテトリンへの変換:合成化学の実験技術を駆使して「ハロテトレン」を合成し、脱ハロゲン化水素化反応の精査により未知化合物「テトリン」に変換する。 2.高度に分極した多重結合の解明:分子構造や化学結合を分光学的手法や結晶構造解析により実験化学的に明らかにし、理論化学とのインタープレイによって電子構造を解明する。 3.テトリンの反応性の探究:高度に分極した結合電子に由来する特異な反応性を探求し、「ポリテトリン」の開発の可能性について明らかにする。
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研究成果の概要 |
かさ高い縮環型立体保護基(Rind 基)の優れた立体保護効果を活用することで、ハロゲンが置換した高周期14族元素二価化学種である「ハロテトリレン」を創出し、種々の炭素二価化学種である「カルベン」との反応により、高周期14族元素-炭素二重結合化合物「ハロテトレン」や「ハロテトリレン-NHC付加体」「テトリリウムイリデンカチオン-NHCビス付加体」を合成した。それらの分子構造や化学結合について、実験化学と理論化学の両面から解明した。また、種々のアリール基とゲルマニウム-ゲルマニウム二重結合が共役した「π共役系ジゲルメン化合物」を合成し、分子構造と光電子物性について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により得られた成果は、元素化学の新しい研究戦略・研究指針を与えるものであり、新規な典型元素化合物の合成や分子構造の解明、特異な化学結合や電子構造に基づく物性や機能、反応性に関する研究内容は、当該分野への顕著な学術的貢献が期待できる。低原子価の典型元素を含む新しい共役電子系物質は、従来の炭素をベースとした材料を凌駕する光電子物性を秘めており、今後の社会経済の活性化に貢献する大変重要な科学技術につながる可能性が期待できる。
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