研究課題/領域番号 |
21K05112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
諏訪 雅頼 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (90403097)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 磁気ナノ粒子 / 磁気光学異方性 / 複雑流体 / 局所粘弾性 / 交流磁場 / 磁性ナノ粒子 / 配向運動 / 磁気直線二色性 / 周波数スペクトル / 回転緩和時間 / 力学プローブ / 磁気直線複屈折 / 磁気誘起光学異方性 / 動的磁化測定 / ハイドロゲル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、複雑流体(高分子ゲルや細胞質基質など)中のナノスケール粘弾性測定法を開発する。複雑流体中にあるナノ粒子が運動する際に受ける抵抗は、サイズで異なることが多くの研究者により予想されている。このサイズ依存性は、複雑流体を構成する分子の相互作用とマクロな力学特性を関連付け、機能性ゲル材料の設計指針を提供できる。また、細胞内タンパク質の非平衡反応機構を理解するための一助となることが期待される。本研究課題では複雑流体中に分散した磁気ナノ粒子に交流磁場を印加、誘起される光学異方性と磁化の同時測定から粒子の回転運動を精密に解析し、局所的な粘弾性を測定する手法を開発する。
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研究成果の概要 |
磁気ナノ粒子(MNP)は、交流磁場により非接触に広い周波数範囲(DC~数百kHz)の配向運動を操作することが可能であり、サイズが揃った粒子を比較的容易に合成できることから、微小空間の粘弾性を測定するためのプローブとして有望視されている。我々は以前の研究で、光を用いてMNPの配向運動を正確に観測できることを示した。本研究課題では、MNP配向運動の磁場周波数依存性に着目した。階層構造を示すハイドロゲルや、粒子間相互作用が無視できない濃厚コロイド溶液、生体膜モデルとして広く用いられているリポソーム内でのMNP配向運動の周波数依存性を調べ、局所粘弾性測定への応用可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本法により測定可能となる局所的粘弾性から「分子スケールの力学特性がマクロな力学特性にどのように伝播するか」を調査可能であり、刺激応答性や自己修復能を持つ機能性ゲルの分子設計指針を提供できる。また、ポーラス材料やナノ流路内など、空間的に制限された水の粘弾性を直接測定可能であり、これらを利用した分離分析法や検出法開発の促進が見込まれる。さらに、細胞膜の力学特性や、分子混雑状態にある細胞内の粘性といった、分子生命科学の基礎的な知見を深められる。従って、本測定法は、広範な研究領域で利用可能な基礎技術として期待できる。
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