研究課題/領域番号 |
21K05114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
藤井 聡 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (40452825)
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研究分担者 |
竹中 繁織 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60188208)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | G4特異的結合試薬合成 / G-quadruplex(G4) / 熱力学的結合解析 / プルダウンアッセイ / qPCR / ELISA / G-quadruplex / ゲノムワイド解析 / 次世代シーケンサー / 遺伝子制御 / 環状インターカレーター |
研究開始時の研究の概要 |
グアニンリッチな1本鎖DNAはG-quadruplex(G4)と呼ばれる4本鎖構造を形成する。G4はヒトゲノム内ではテロメア部分に多く存在していることが知られているが、様々な遺伝子調節領域においてもG4が形成され遺伝子調節に関わっていると言われている。特にc-mycやc-kitなどのがん関連遺伝子の調節領域にも数多くG4が存在しており、医薬ターゲットとして注目されている。しかし、生体においてG4が形成されるの詳細なメカニズムはほとんど解明されていない。本研究では、生体中におけるG4の形成状態をG4特異的結合分子によってゲノムワイドに検出するという新規ゲノムワイド解析法を確立させる。
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研究実績の概要 |
グアニンリッチなDNAは、1本鎖の同鎖内もしくは2本や4本の異鎖間でG-quadruplex(G4)と呼ばれる4重鎖構造を形成する。G4はヒトゲノム内ではテロメア部分 に多く存在していることが知られているが、近年プロモーターや5'-UTR、スプライシングサイトなど様々な遺伝子調節領域においてもG4が形成され遺伝子調節に 関わっていると言われている。しかし、生体中での詳細なメカニズムはほとんど解明されていない。また近年ゲノム及びトランスクリトームの研究は次世代シー クエンサの登場により急速に発展している。そのような次世代シークエンス技術と核酸構造を検出する小分子という分析化学技術を組み合わせて、生体中におけ るG4の形成領域をゲノムワイドに検出する手法を開発することを目的としている。 本年度には、以下の研究を遂行した。 1)G4認識試薬cNDI-PEG4-Biotinの再合成を行い。c-myc, c-kit, CEGF, TA-coreのようなG4 DNAに対して熱力学的な結合解析を行った。その結果cNDI-PEG4-BiotinはG4に高い結合能を示し、c-mycに対して特に強い結合能を示した。 2)cNDI-PEG4-Biotinとストレプトアビジン磁気ビーズを利用したプルダウンアッセイによりcNDI-PEG-Biotin のDNAキャプチャー能評価を行い、4本鎖構造であるc-myc及びc-mycを含む120-merの配列を特異的にキャプチャーすることが示された。 3)また、プルダウンアッセイ後のqPCR解析により、c-mycを含む120-merの配列のものは大きく増幅が見られたが、c-myc-mut(変異導入配列)を含む120-merの配列はほとんど増幅が見られず、qPCRでもG4 DNAを特異的にキャプチャーしていることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
化合物によりG4 DNAのプルダウンをqPCRでまで確認できたことは良かったが、本来最終年度でシーケンサー解析を行う予定であったが、化合物の再合成を含めin vitroでの検討事項に手間を取られ到達できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
cNDI-PEG4-biotinのゲノムワイドに結合サイトをシークエンサ解析を行い進めていく予定である。当初の予定であったChIP-Seq法ではかなりの量が必要とされるため、近年一細胞レベルでのクロマチン解析などに応用されているCUT&Tag法を採用して行う予定にしている。
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