研究課題/領域番号 |
21K05118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
村松 宏 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (20373045)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細胞応答 / QCM / 抗がん剤 / 顕微鏡 / 応答モデル式 / マイトマイシンC / 細胞接着 / 細胞死 / 顕微鏡写真 / シスプラチン / モデル式 / 薬物応答 / 細胞形状 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「薬物の種類に依存した応答」および「細胞種に依存した応答」を含めて、細胞応答曲線をモデル式によって数式化できることを示す予定である。このモデル式の速度的な指標や応答割合の指標を比較することで、新規な細胞応答評価技術として応用できることを明らかにする。さらに、細胞周期を揃えて測定を行うことによって、細胞周期に対応した細胞応答を測定して、対数正規分布のような統計分布に埋もれた真の細胞応答曲線が得られると考えられ、本技術が細胞の動的な変化を解析する新規な細胞応答解析技術として利用できることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度は、新たに5-フルオロウラシル(5-FU)、エトポシド(ETP)について、HepG2細胞で水晶振動子センサーでの共振周波数応答を調べた。5-FU, ETPのいずれについても、細胞への添加後に応答が現れるまでに、遅延時間があることがわかった。これは、5-FU, ETPともに作用が多段階で効果が生じることや、水への溶解度が比較的低く、設定できる濃度に制限があるためと推察した。遅延時間後の応答は、共に累積対数正規分布曲線でよく近似できることを確認した。 水晶振動子センサーの共振周波数による細胞の形態変化の情報と細胞死の関係を調べるために、水晶振動子センサーによる測定と同時に、蛍光観察を行えるようにし、死細胞染色試薬のヨウ化プロピジウムを用いて、HepG2細胞にマイトマイシンC(MMC)を添加して測定を行った。細胞死が起きる条件のMMC濃度では、細胞の形態変化に対して死細胞の増加が遅れて生じることが示された。水晶振動子センサーと蛍光顕微鏡の同時測定によって、細胞の応答のより詳しい情報が得られることがわかった。 補助事業期間全体として、水晶振動子センサーでの細胞の応答形式は、細胞接着課程では、一次遅れ応答、抗がん剤に対する応答では、低作用濃度で遅延時間があったのち累積対数分布曲線で近似でき、濃度の上昇に伴い、遅延時間が短縮・消失し、高作用濃度で、一次遅れ応答へと変化するモデル式で表されることが示された。この内容については、論文を投稿し、本報告書作成時点で修正版の審査中である。また、HepG2細胞に加えて、PC-3細胞、WI-38細胞、Hela細胞について、細胞接着応答を調べたところ、PC-3細胞は遊走性が高く、水晶振動子の共振周波数変化がほとんど得られない結果となった。WI-38細胞,Hela細胞も接着性が低く、HepG2細胞に比べて共振周波数の変化量が小さくなることがわかった。
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