研究課題/領域番号 |
21K05128
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
島崎 洋次 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (80284389)
|
研究分担者 |
座古 保 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (50399440)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | タンパク質 / 天然酵素 / 超分子 / 電気泳動法 / 酵素活性 / 電気泳動 / 酵素 / 天然超分子 / 分離分析法 / 機能制御 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの生体タンパク質は複数のタンパク質と相互作用することで超分子を形成し、生体内で連鎖反応を起こすなど複雑な機能を担っている。この超分子の複雑な機能の解明には、超分子を天然状態で網羅的に分離検出し、その機能を分析する方法が必要である。さらに、抗体、アプタマー、分解酵素などを超分子に作用させることで、可逆的に機能制御できる超分子の構築につながる。本研究では、天然超分子の分離分析法とその機能制御法を融合する研究を提案する。具体的には、高分離能分離された超分子の網羅的な溶出と検出法の確立、検出された超分子の選別法と定量的な機能分析法の確立、超分子の可逆的な機能制御法の確立、を実施する。
|
研究実績の概要 |
昨年度は以下の3件の論文を公表することができた。特に1と3の業績はテーマである天然酵素の超分子分析に深く関わりのあるものである。マウス肝臓などの生体試料中の超分子を非変性条件の2次元電気泳動法により分離し、それらを電気泳動によりさらに溶液状態で抽出し、超分子の構成成分や物性を調べることができた。特に、カルボキシルエステラーゼとトランスフェリンからなる超分子のエステラーゼ活性はFe2+により阻害されるが、トランスフェリンによりFe2+が捕獲されることにより、阻害が解除されることがわかった。これは超分子の生理的な役割を考察していくうえで重要な知見と考えらえる。 1)島﨑洋次、中尾香琳、福家麗. 非変性2次元電気泳動法によって分離、検出されたカルボキシルエステラーゼとトランスフェリン複合体の電気泳動的抽出. 電気泳動 (in press).2)Kenichiro Nagata, Ryo Ashikaga, Wakako Mori, Tamotsu Zako, Youji Shimazaki. Analysis of the enzymatic degradation of lysozyme fibrils using a non-denaturing gel electrophoresis and double staining with coomassie brilliant blue G-250 and R-250 dyes. Analytical Sciences 2023;39: 267-274.3)Karin Nakao, Youji Shimazaki. Electrophoretic extraction of protein complexes after separation and detection by a combined methods of non-denaturing two-dimensional electrophoresis and reversible staining. Journal of Electrophoresis 2022;66: 5-11.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
天然酵素の超分子の分離分析が概ね順調に行われており、国内の学会や論文(研究実績の概要に記載)としてある程度公表出来てきているため。 また、1例ではあるが、超分子の生理的な役割を考察していくうえで重要な知見を得ることができてきているため。
|
今後の研究の推進方策 |
さらに、超分子形成をしている天然酵素やタンパク質の分離分析法を確立すると同時に、より多くの超分子の探索を行い、その生理的な役割を解明することを目標に努力をしていきたい。また、国内の専門誌を中心に公表してきてはいるが、国外の専門誌においても新たなる知見を公表していけるよう努力していきたい。
|