研究課題/領域番号 |
21K05143
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
竹歳 絢子 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 非常勤教員 (50533056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 触媒 / 金ナノ粒子 / 酸素酸化 / SMSI / 金クラスター / マイクロ波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、高難度反応のひとつである芳香族炭化水素の直接官能基化が可能となる新しい金触媒の開発である。金のサイズをナノ粒子よりも小さなクラスターとすることや金粒子の土台との強い相互作用を形成することで、従来の金ナノ粒子にはない触媒特性の発現をねらう。担持金クラスター触媒調製の手法として、乾燥や焼成にマイクロ波照射を用いる。芳香族炭化水素の直接官能基化においても、マイクロ波加熱を用いることで、従来加熱では実現できなかった反応の進行を目指す。
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研究成果の概要 |
反応基質の活性化に寄与する金表面のδ+サイトを増やすため、担体として種々の置換ハイドロキシアパタイトを用いて、酸素雰囲気下で生じる担体との強い相互作用(SMSI)を形成することを試みた。いずれもSMSIの形成により、担体による金表面の被覆と金表面のδ+サイトの増加がおきた。香料となるエチルエステルの合成に適用し、増加したAuδ+種によって反応性の低い脂肪族アルデヒドの活性化が促進され、SMSIにより金と担体層との接触面積が増えたことで基質の吸着とエタノールの脱プロトン化が助けられ、効率よく反応が進行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高い触媒性能の発揮には、金粒子サイズの制御のみならず、酸素雰囲気下で生じる担体との強い相互作用(SMSI)により金粒子が被覆される担体層の厚さの制御が重要であることがわかった。今後、担体構造の制御を触媒設計の鍵とすることで、効率的な触媒探索が期待できる。エチルエステル合成については、現行のプロセスではアルデヒドから2工程必要だが、金触媒を用いることにより塩基を添加することなく1工程に短縮でき、化学プロセスのシンプル化につながる。
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