研究課題/領域番号 |
21K05156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 東京農工大学 (2022) 明星大学 (2021) |
研究代表者 |
吾郷 万里子 東京農工大学, 農学部, 寄付講座教員 (90389172)
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研究分担者 |
上本 道久 明星大学, 理工学部, 教授 (00176645)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | リグニン / ナノ粒子 / エアロゾルフロー / 真球状粒子 / ピッカリングエマルション |
研究開始時の研究の概要 |
化石由来ポリマー微粒子の環境や生態系への悪影響が顕在化している。解決策の一つとしてバイオマス資源由来微粒子による代替がある。本提案では,エアロゾルフロー法という低エネルギー型プロセスによって合成されるリグニン真球状微粒子のコロイド特性を活かしたピッカリングエマルションの安定性を明らかにする。またリグニン粒子の多分散性に基づいた,従来の界面活性剤では得られない,強固な微粒子膜を有する機能性エマルションの材料設計法の構築を目的とする。また機能性エマルションの実証試験として,耐塩・耐pH性を明らかにするとともに,低環境負荷型接着剤を創成する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,リグニンナノ粒子を用いたピッカリングエマルションを用いた新しい機能性エマルションの材料設計法と応用化技術開発を行うことにある。研究計画の二年度目は,自己集合組織化によって得られたリグニンナノ粒子のリグニンナノ粒子の粒径,粒度分布,粒子濃度,電解質強度等によるコロイド特性への影響を明らかにすることを目的とした。実施した結果の概要を以下に示す。初めに,リグニンナノ粒子添加系での表面張力の変化を明らかにした。次に表面電荷が負であることを利用し,ゼータ電位の濃度依存性,またカチオン性物質の吸着による表面親・疎水性の制御が可能であることを実験的に示した。一方,リグニンナノ粒子は水/油界面に吸着し,ピッカリングエマルションを長期間に渡り安定化することを見出し,安定性に対する粒子濃度依存性が実験的に検証された。 カチオン系4級アンモニウム塩を用いて,リグニン粒子の表面修飾が可能であることを示した。また,上記カチオン試薬の濃度によって,コロイド安定性が大きく変化したこと観測した。 遠心分離法によって,リグニン粒子懸濁液の濃度,回転数を変えることによる沈降速度の制御によって,粒径分画を可能とする条件を明らかにした。さらに粒径分画したリグニン粒子を用いて,ピッカリングエマルションの安定性を比較した結果,リグニン粒子の大きさを変化させても安定性には大きく影響しないことがわかった。一方,用途開発として,イソシアネートモノマーを含む複合ピッカリングエマルションを調製し,目標としていた二重膜を有するピッカリングエマルションの開発を,条件検討より着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の実験計画に従って,順当に進められている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は本研究計画の最終年度となる。未実施のテスト項目を前期の早いうちに着手,完了させるとともに,後期に向け初年度からの実験結果をまとめ改めて考察するとともに,成果を取りまとめる作業をおこなっていく。学会発表,誌上発表を活用していく。
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