研究課題/領域番号 |
21K05164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
谷口 竜王 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30292444)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 高分子微粒子 / 液晶 / 内包化 / 液晶カプセル / カプセル / ラテックス / ミクロ相分離 / 制御/リビングラジカル重合 / グラフト鎖 / 異形化 / エマルション / 高分子コロイド / 可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合 / 転相温度乳化法 / コアセルベーション / 電場応答性 / 表面開始原子移動ラジカル重合(SI-ATRP) / ナノカプセル / 非球状粒子 / コロイドアレー / 光学特性 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子微粒子は,塗料,化粧品,診断薬など様々な工業製品に応用されており,粒子形態の制御による新たな機能の付与が検討されている。本研究では,従来までの真球状の中実粒子以外に,中空粒子,ヤヌス粒子,さらには非球状粒子などの高分子コロイド材料などを撹拌により異形化し,モルフォロジーの変換を支配する因子を明らかにする。また,変形により異方性が付与された異形粒子の特異的凝集特性を活用することにより,様々なヘテロ凝集体を作製するとともに,粒子に内包した光学材料が発現する機能向上について検討する。また,異形化されたコロイド材料に特有の流体力学的特性に着目し,集積化によるコロイドアレーの作製も試みる。
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研究実績の概要 |
近年,紙や看板に代わる広告媒体としてフレキシブルディスプレイに注目が集まっており,フレキシブル化を実現する液晶材料の開発が期待されている。我々はroll-to-roll印刷プロセスを可能にする液晶ナノカプセルの作製を検討した。本研究では,開始剤としてmethyl methacrylate(MMA)の分散重合により合成したマイクロメートルスケールのPMMAシード粒子と液晶分子(4-cyano-4’-pentylbiphenyl(5CB))とをmethanol中で撹拌しながら,水を滴下することにより,シード粒子内部に液晶が導入された真球状の液晶カプセルを作製した。熱重量分析(TGA)を用いたカプセル内部の液晶含有率測定より,5CB濃度の増加ともに液晶含有率が増大することがわかった。また,高温側の等方相よりも低温側のネマチック相の方が液晶含有率が高い結果となった。これは,流動性の高い等方相では混合溶媒へ5CBが溶けやすく,溶媒へ5CBが溶け残ってしまったこと,等方相での撹拌ではシード粒子内部で液晶相を形成せず,カプセル化された液晶が漏出したことなどが原因として考えられる。次に,1 wt%のPVP-K30水溶液に,1 wt%の液晶カプセルを分散させてマグネチックスターラーを用いて撹拌することにより,異方化された円盤状液晶カプセルを得た。真球状および円盤状液晶カプセルをITO電極付き両面セルに注入し,液晶セルを作製した。液晶セルに電圧を印加し,偏光顕微鏡観察を行ったところ,0 V/μmでは双方とも周囲の視野との差異が確認されなかった一方で,10 V/μmの印加電圧で円盤状液晶カプセルのみ暗視野となったことから,カプセルの異方化により電場応答性が獲得されたことを確認した。
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