研究課題/領域番号 |
21K05165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 工学院大学 (2022-2023) 東京工業大学 (2021) |
研究代表者 |
後関 頼太 工学院大学, 先進工学部, 准教授 (20592215)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アニオン重合 / 配列制御高分子 / ブタジエン誘導体 / ゴム材料 / 天然素材 / 1,1-ジフェニルエチレン / カテコール / 交互共重合 / 熱可塑性エラストマー / エラストマー材料 / 接着材料 / 生体模倣 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、モノマー配列を簡便に制御する技術を確立し、構造と物性との相関を解明することで、機能性材料の新しい設計指針を獲得を目指す。特に、1分子から2成分系の繰り返し構造を与え得る1-フェニル-1,3-ジエン誘導体に着目し、1,1-ジフェニルエチレンとのアニオン共重合により配列制御ポリマーの精密合成を目指す。また、このモノマー骨格は天然に見出すことができ、その部分構造には天然の接着機構に深く関与するカテコール基が存在する。そのため、環境調和型の配列制御ポリマーが合成できるのみならず、このポリマー鎖を有する熱可塑性エラストマーの創製により接着性ゴム材料の開発に繋がることが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、モノマー配列を簡便に制御する技術を確立し、配列に由来する特性との相関を解明することで、機能性材料の新しい設計指針を獲得することを目指している。特に、1分子からエチレン-スチレンとなる2成分の繰り返し構造を与える1-フェニル-1,3-ジエン誘導体類に着眼し、DPEとのアニオン共重合により ABC3成分系配列制御ポリマーを合成可能にする手法の開発という独創的かつ挑戦的な課題に取り組んだ。 初年度において1-フェニル-1,3-ブタジエン(1-PBD)と1,1-ジフェニルエチレン(DPE)との共重合を行い、E体の1-PBDに対して15当量となるDPEを反応させることで交互性の非常に高い共重合体が得られることを明らかにした。また、重合後に得られたポリマーを用いて水素添加反応を行うことにより、エチレン-スチレン-DPEを繰り返し単位とする配列制御ポリマーが得られることがわかった。最終年度では、イガイの強力な接着力に強く関与していると考えられているカテコール基を有する1-PBD誘導体(cat-1-PBD)の合成経路を確立し、この誘導体の重合調査およびABA型となるトリブロック共重合体の合成を試みた。その結果、sec-ブチルリチウムを開始材としTHFまたはベンゼン中でcat-1-PBDのアニオン重合を所定の温度で行ったところ、定量的に反応が進行することを見出した。一方で、cat-1-PBDはイソプレンよりも反応性が高いことがわかった。これらの知見を元に両末端開始剤を用いてベンゼン中でイソプレンと続くcat-1-PBDを逐次添加することでABA型トリブロック共重合体が定量的に得られることを見出した。ただし、柔軟なジエン骨格中にカテコール基が存在しているため、容易にカテコール間での架橋が進行してしまい有機溶媒に不溶な弾性体となることが明らかになった。
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