研究課題/領域番号 |
21K05169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
荒川 幸弘 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (70709203)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 重付加反応 / 不斉触媒 / 高分子触媒 / グアニジン |
研究開始時の研究の概要 |
ジアミンとビスカルボジイミドの重付加反応によるポリグアニジン合成は半世紀前に発表された最初の論文以後、なぜか全く脚光を浴びていない。研究代表者は、有機化学反応のための触媒開発の一環として、これをグアニジン型不斉触媒の設計に応用することを着想した。 本研究では、研究代表者が独自に見出したキラルジアミンとビスカルボジイミドの付加反応に基づくグアニジン集積法を活用し、グアニジン型不斉触媒としての機能発現を指向して設計した様々な光学活性グアニジン集積体の合成法を確立する。また、それらの不斉触媒としての有用性・実用性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,キラルジアミンとビスカルボジイミドの付加反応に基づくグアニジン集積法を活用し,グアニジン型不斉触媒としての有用性・実用性を見出すことである。具体的には,原料の設計によって生成物の構造,立体配座,物性を制御することを基本戦略として,高い不斉誘起能を指向した分子設計として(i)嵩高い側鎖置換基,(ii)らせん構造,(iii)ハイパーブランチ構造,(iv)多様なジアミン由来骨格を有する光学活性グアニジン集積体の合成と機能評価,さらに(v)原料の非等モル混合に基づく段階的鎖伸長を活用した鎖長制御と不斉触媒作用における鎖長依存性の解明に向け実施計画を立てた。初年度は上記(i)および(v)を中心に成果をあげ,また(iii)についての知見を得た。 令和4年度はおもに(ii)および(iv)に関する検討を進め,特に(iv)について顕著な成果を得た。具体的には,置換基の位置関係が異なる各種ジヨードベンゼンおよびエチニルアニリンからアルキニルスペーサーを有する新規ビスカルボジイミドを合成し,本重合系への適用性について検討したところ,trans-1,2-シクロヘキサンジアミンや1,2-ジフェニルエチレンジアミンなど,従来系では適用困難であった第一級ジアミンとの組み合わせにおいて,対応する重付加反応が迅速に進行することを明らかにした。得られた光学活性グアニジン集積体が不斉塩基触媒として機能すること、さらに,アキラルなブレンステッド酸(安息香酸など)の添加によりその立体選択性が大きく向上することも明らかにし,これらの成果を複数の国内学会で発表した。また,当研究の光学活性グアニジン集積体の水素結合性キラル反応場としての応用展開を指向してポリメタクリル酸担持フラビン触媒を別途開発し,その成果を国際誌論文(Org. Biomol. Chem. 2023, 21, 289-293)で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで,実施計画で掲げた五つの課題のうち,初年度には(i)嵩高い側鎖置換基を有する光学活性グアニジン集積体の合成と不斉触媒機能評価および(v)不斉触媒作用における鎖長依存性の解明について,また令和4年度においては(iv)適用可能なキラルジアミンの拡張について一定の成果が得られている。特に,令和4年度の研究では,前年度からの課題であった立体選択性の改善に効果的な手法(アキラルなブレンステッド酸による非共有結合修飾)を見出すことができた。これらのことから,本研究課題はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況を踏まえ,今後は実施計画に掲げた五つの課題のうち,(ii)らせん構造を有する光学活性グアニジン集積体の合成と不斉触媒機能評価を中心に研究を推進する方針である。具体的には,o-フェニレンジアミン骨格やその他のらせん誘起を指向した骨格を有するビスカルボジイミドを新規設計し,それらの合成法の確立,各種キラルジアミンとの重付加反応による高分子化,円二色性分光法等による物性評価,不斉触媒機能評価を順次進める。一方,らせん構造の有無に依らず,アキラルなブレンステッド酸による光学活性グアニジン集積体の非共有結合修飾を伴う不斉誘起についての知見を深め,その機能を最大限に発揮しうる条件や反応を明らかにする。
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