研究課題/領域番号 |
21K05188
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
田實 佳郎 関西大学, システム理工学部, 教授 (00282236)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 圧電性 / 高分子 / センシング / ポリ乳酸 / 組紐 / 回路 / センサ / ミシン縫い / 繊維 / 組みひも / 圧電繊維 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,その場でfabricのからの出力信号のみで動きを判定する簡素で実用的なシステムの構築を目指す.土台とするセンサ物質は圧電体である**.これを「繊維化」し,組紐状にしたり,刺繍状にすることで,「ねじり」「ずり」「ひっぱり」など日常の動きを自然な形で感知することが可能にする。これは非常に困難な課題設定であるが,京の伝統工芸「組紐」が培ってきた多彩な三次元織組構造創出技法を利活用し実現する.同時に装着時の違和感・抵抗感の原因となるfabric表面を覆う信号検出用金属電極の不要化を果たす.
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研究成果の概要 |
我々は伝統工芸技術により作成した圧電性ポリ乳酸センサでバイタルセンシングを可能にしている.本研究では,この手作業に基づく手法を工業化意識した手法に転換するために,有限要素法を用い,工業ミシンによるステッチ形状に工夫を施すことで,伝統工芸手法と同等の機能を実現した.これにより,社会実装の可能性が開かれた.さらに,開発してきた従来のBLEを用いたデータ送信システムでは,被験者の位置や姿勢による信号切れの問題が頻繁に発生したが,回路の最適化を徹底することで飛躍的に性能を向上させた.最終的に,ミシン縫いセンサによるバイタルセンシングの精度検証を室内犬トイプードルの自由な行動の中で確認することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統的な几帳結びを用いた研究段階だったユニークなバイタルセンシングを、より実用的な工業的手法(ミシン縫いの方法)で実現することが可能になった。この成果は、大量生産可能な産業プロセスに転換する道を開いた。特に、室内犬を対象とした健康管理では、このセンサ技術が、動物の安全と快適を保ちながら連続的な健康モニタリングを可能にする。BLE通信の最適化によるデータ送信の安定化も、リアルタイムでの健康データの確実な受信を保証し、動物医療やペットケア産業における予防医学と早期発見の推進に寄与すると考える。この成果は、将来的には人間にも適用可能なウェアラブルセンサ技術の発展に繋がる一歩である。
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