研究課題/領域番号 |
21K05193
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
平原 実留 埼玉大学, 研究機構, 専門技術員 (30789293)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高分子電解質膜 / ブロック共重合体 / プロトン伝導 / 高次構造 / 電子線トモグラフィー / 燃料電池 |
研究開始時の研究の概要 |
脱炭素社会実現のためには次世代エネルギーシステムの確立が急務である。水素エネルギーを利用する燃料電池は次世代主要電源候補の一つであり、その中心技術である電解質材料の高性能化が急がれる。本研究で着目するブロック共重合体から成る高分子電解質は高速プロトン伝導材料として期待されるが、そのメカニズム解明が課題である。そこで本研究では電子顕微鏡技術を駆使して膜内部の三次元構造を「そのまま抜き出す」こと、及びプロトン伝導媒体である水共存下にて「材料そのままの状態」での直接観察を試みることで、ブロック共重合型電解質膜の形成する高次構造及びプロトン伝導経路の視覚的解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究ではブロック共重合型電解質膜が形成する高次構造及びプロトン伝導経路の解明を目的として、マルチブロック共重合型電解質膜を対象に、「①親水部構造のナノスケール三次元観察」、「②水を収着した高分子電解質膜のその場観察」を実施した。 初年度の研究成果よりナノ三次元観察技術を確立し、本材料は製膜時にナノスケールの凝集構造を形成し、親水部ドメインが連結した網目状構造を形成することを判明した。最終年度は、燃料電池の実駆駆動環境により近い条件、すなわち、プロトン伝導媒体となる水を吸着した電解質膜を、材料そのままの状態での直接観察を目的とした検討を行った。具体的には、無機材料分野で用いられるADF-STEM法を応用した無染色観察技術に加えて、生物系の分野で用いられる含水試料の非晶質氷包埋、及び液体窒素温度条件で行う凍結観察技術を組み合わせ、電解質膜に新規適用することで直接観察を実現した。その結果、本材料は製膜時に形成した網目状の親水部ドメイン構造が変形・破壊されることなく構造内部に水を吸着することが明らかとなり、強固に固定化されたネットワーク構造中に水分子が高密度に充填されることで高いプロトン伝導性を発現することが示唆された。更に、最終年度は膜単体・触媒単体での評価に加えて、膜と触媒電極を熱圧着複合化した膜電極接合体を対象とした界面解析を実施し、電気化学反応場における物質移動経路の可視化に取り組んだ。その結果、電解質膜の表面構造に加えて、アイオノマーの被覆構造が発電特性に大きく寄与することが示唆された。 本研究成果より確立された三次元観察技術、無染色クライオ観察技術、及び複合界面観察技術は、これまで評価が困難であった電解質材料及び複合材料の直接構造評価を可能とするものであり、燃料電池に加えて、電解反応を用いる様々なカーボンニュートラル技術における応用が期待される。
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