研究課題/領域番号 |
21K05199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
毛利 恵美子 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60380721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | セルロースナノクリスタル / 液晶 / ポリエチレングリコール / 微粒子 / コアーシェル粒子 / 高分子複合材料 / 高分子 / 階層構造 / カプセル |
研究開始時の研究の概要 |
セルロースナノクリスタル(CNC)は、天然物由来のロッド状粒子で、その異方性形態を利用した機能材料の開発が期待されている。しかし、剛直な結晶性粒子であるCNCには、架橋形成やブロック共重合など共有結合にもとづく高分子化学的な構造形成を適用するのが難しく、実材料応用に必要なマクロスケールでの精密な構造構築と機能発現の障碍となっている。本研究では、CNCのコロイド化学に着目し、CNC粒子の集積を階層的に精密制御する手法を開拓する。これにより、CNCの液晶構造をmm以上のマクロスケールで精密に構築し、ハンドリングする。その上で、得られた階層構造にもとづくCNCからの機能発現を提案する。
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研究実績の概要 |
セルロースナノクリスタル(CNC)と呼ばれるセルロースナノロッドは、セルロース成分からなるナノサイズの異方性粒子であり、一定濃度以上でコレステリッ ク液晶性を発現することが報告されている。このCNCを用いて、複雑な内部構造を有する構造体を創出することができれば、無害・安価で高機能性を有するソフ トマテリアルの創出に繋がると考え、これまで自己組織化析出(SORP)法を基盤に、CNC-高分子複合粒子を調製してきた。 今年度の成果として、ポリエチレングリコール(PEG)をベースとした高分子を用いてCNCとの複合化を行ったところ、球状ではなく円盤状の粒子が得られることが明らかになった。この円盤状粒子は単純な円盤状ではなく、ドーナツ状の構造をとっており、ドーナツ部分にCNCが集積し、穴の部分にPEG系高分子が存在すると考えられる。さらに、この円盤状粒子は、ドーナツ部分が強い複屈折性を示し、粒子内でCNCが配向していることを示唆している。したがって、ロッド上のCNC粒子をビルディングブロックとして用い、さらにサイズの大きい(数十ミクロンメートル)異方性粒子に組み上げることに成功した。これまでのPEG系の結果をまとめると、わずかな分子量や、分子構造の差異により、形成する粒子の内部構造、サイズが大きく変わることが明らかになった。 また、同様にSORP法を用いて、温度応答性高分子やpH応答性高分子とCNCを複合化した粒子も調製した。これらの系では、高分子の一部を架橋反応によりネットワーク化し、形状を保持できるようデザインした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、球状のコアーシェル粒子を調製してきたが、本年度は円盤状の粒子の調製法を確立することができた。予想外の展開ではあるものの、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得られたCNC―PEG複合粒子は、PEGのPCM(相変化材料)特性を生かした蓄熱材料として利用できると期待できる。そのため、複合粒子の熱特性を評価する。一方で、CNC―PEG複合粒子が示すCNCの複屈折特性は、CNCの配向状態により光学材料として利用できる可能性がある。そのため、この複合粒子の円偏光特性を調べる予定である。
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