研究課題/領域番号 |
21K05201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
田中 学 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (00531831)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 高分子電解質 / ナノファイバー / プロトン伝導 / 有機ナノイオニクス / 膜 / プロトン / 燃料電池 |
研究開始時の研究の概要 |
燃料電池などに利用されてきたプロトン伝導性を有する高分子膜は、多くはスルホン化高分子から成り、スルホン酸基から解離したプロトンが多数の水和水を伴って伝導する機構が利用されている。これまでプロトン伝導膜研究は大きな進歩を遂げてきたものの、従来のプロトン伝導機構では、水和水を伴うため生体膜に匹敵する高速プロトン伝導は困難であり、さらに十分な水和水が存在しない低湿度あるいは無加湿条件でプロトン伝導度が著しく低下する課題がある。これら課題の解決は、高効率化・低コスト化に繋がる高温無加湿条件下での燃料電池発電や、新型二次電池や高効率な電解合成に繋がるため、産業界からの期待も大変大きい。
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研究成果の概要 |
本研究では、高分子膜において生体膜に類似する効率的なプロトンホッピング伝導を実現し、その従来とは異なるプロトン伝導機構を利用することで、次世代型燃料電池などの課題解決に繋がる革新的な高速プロトン伝導体を創製することを目的としている。高分子ナノファイバーに「超強酸」「双性イオン高分子」などを修飾した新規表面修飾ナノファイバー複合電解質膜を作製し、特に低湿度条件においてプロトン伝導度が向上することを明らかにした。本研究により、高分子ナノファイバー内部または表面における異種官能基の協働効果(申請者の提唱する「有機ナノイオニクス」現象)を活用することで、高速プロトン伝導体が創製できることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、高分子ナノファイバーに着目し、その内部あるいは表面における異種官能基の協働的効果により、高速プロトン伝導を実現できることを明らかにした。本研究成果は、高温低湿作動が求められる次世代固体高分子形燃料電池をはじめ、各種エネルギー変換デバイスの高性能化、小型・軽量化、コストダウンに繋がることが期待され、社会的な意義は大きい。さらに、分光測定や計算化学シミュレーションなどを用いて新たなプロトン伝導メカニズムを検証するなど、学術的にも多数の新しい知見が得られ、当該分野の発展に貢献している。
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