研究課題/領域番号 |
21K05204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
大坂 昇 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (80550334)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 相互侵入高分子網目 / セミ相互侵入高分子網目 / 高強度化・強靭化・高弾性化 / 階層構造解析 / 構造物性相関 / ポリマーブレンド / セミ相互侵入高分子編目 / 高強度化 / 強靭化 / 高弾性化 / ゴム / 結晶性樹脂 / semi-IPN |
研究開始時の研究の概要 |
本申請者は、アクリルゴムに結晶性フッ素樹脂をブレンドして架橋を行い、セミ相互侵入高分子網目を形成させることで、ゴムの強度と靭性という通常は相反的な性質が同時的にかつ大幅に向上することを見出した。本研究ではこの架橋ブレンドゴムが理想的な相溶semi-IPNであることを実証し、階層構造と力学物性との関係を分子論的に解明し、高分子材料の力学物性の向上に新たな基礎的指針を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
本申請者は、アクリルゴム(ACM)に結晶性フッ素樹脂であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)をブレンドして架橋を行うことで、ゴムの強度と靭性という通常は相反的な性質が同時的にかつ大幅に向上することを見出した。また、PVDFの溶融時にACMとPVDFは相溶し、PVDFの結晶化後はPVDFの非晶領域で部分的に相溶していることを明らかにした。この時、ブレンドゴムはセミ相互侵入高分子網目から相互侵入高分子網目へと変化した。また、延伸時のその場X線解析から延伸によりPVDFの結晶化度が低下し、この部分的な結晶構造の破壊がブレンドゴムを延性化し、力学物性の向上を引き起こしていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゴムと結晶性樹脂を部分的に相溶させるという報告例のほとんどない系を実現し、破断強度が20 MPaを超え汎用樹脂の物性値に匹敵するほど大幅に向上することを見出した。また、詳細な階層構造解析を実施することでその機構解明を行うことができた。また、ゴムの力学物性を向上させるだけではなく得られた知見に基づいて結晶化を利用したゴムの接着を提案するなど持続可能な社会の実現にも貢献する広範な成果を得ることができた。
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