研究課題/領域番号 |
21K05214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
辻岡 強 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30346225)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | メモリスター / ジアリールエテン / 金属蒸着選択性 / 表面ガラス転移点 / マランゴニ効果 / ガラス状態 / 機能性有機材料 / ニューロモルフィック / クロスバー構造 / ナノマランゴニ効果 / フッ素系有機膜 / 磁性金属 / 脱離 / クロスバー電極 / フッ素系有機材料 / フォトクロミズム / キャリア注入 |
研究開始時の研究の概要 |
人工知能をハードウェア的に実現するために、メモリスターと呼ばれる素子を集積化したニューロモルフィックデバイスが関心を集めつつある。本研究では、従来光で異性化反応するフォトクロミック材料として知られているジアリールエテンの電気的キャリア注入による異性化反応を用いたメモリスター素子を作成し、その特性(サイズやSN比)について調査する。さらに金属蒸着選択性を用いた微細電極作成によりメモリスターアレイを作成し、ニューロモルフィックデバイスとしての性能を調査する。本素子のニューロン的な性質である「学習強化」や「忘却」の機能についても可能性を探究する。
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研究成果の概要 |
メモリスター機能を有する材料として、ジアリールエテン(DAE)の可能性を探求した。ニューロモルフィックデバイスとしてクロスバー構造電極が使用されることが多いが、DAEの機能であるMg蒸着選択性を利用して、マスクレス蒸着による4層3μm幅クロスバー電極構造を実証した。また、金属蒸着選択性を実現する表面の条件(表面柔らかさと表面自由エネルギー)を解明し、Ag、Cu、Ni、Crなどの金属のマスクレスパターン形成を実証した。ニューロモルフィックデバイスの性能評価までは至らなかったが、付随して得られた研究成果として、有機膜表面におけるナノ・マランゴニ効果の発見とそれに基づく表面ガラス転移点評価がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マスクレス蒸着による多層クロスバー電極形成は、まだ適用可能な金属種に課題を残すものの将来のAIエレクトロニクス分野におけるニューロモルフィックデバイス形成に向けた展開が期待される。多種金属種に対する蒸着選択性の実証は、様々なエレクトロニクスデバイスへの適用可能性を拓いたと言え、今後産業的な応用が期待される。有機表面におけるナノ・マランゴニ効果の発見に関しては、従来最表面のガラス転移点やその深さ分布が知られていなかったので新現象・手法として学術的意義は大きいと考えられる。
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