研究課題/領域番号 |
21K05221
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
峯廻 洋美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (50573143)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 有機機能性材料 / 有機半導体 / データベース / データ科学 / プリンテッドエレクトロニクス / 薄膜デバイス / 結晶成長 / インクジェット |
研究開始時の研究の概要 |
塗布・溶液プロセスによる薄膜デバイス作製において、結晶・薄膜モルフォロジーは機能発現やプロセス適合性の鍵となる重要な情報である。本研究では、塗布型有機機能材料を主な対象とし、独自のハイスループット結晶化技術によるさまざまな条件についての網羅的な結晶・薄膜モルフォロジー情報取得とデータベース構築およびそのデータ科学的探索により、従来技術では予測が難しかった結晶・薄膜モルフォロジーを「分子」と「結晶化条件」から推定できる新たなモデルを構築することを目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究では塗布・溶液プロセスによる薄膜デバイス作製において重要となる結晶・薄膜モルフォロジーを推定するためのインフォマティクス技術を、独自のハイスループット晶析技術を駆使した網羅的データ収集とそのデータ科学的分析により構築することを目的としている。R4年度は独自のインクジェット法を活用した網羅的晶析実験を本格的に開始する計画であったが、装置に機能的な不具合の発生が見られたため、これに替わる新規装置の導入と機能設計を最優先に進めた。晶析実験・観察・評価のハイスループット化を目的としたアプリケーション設計(例えば解析・処理・蓄積しやすい形式でのデータ収集・記録用アプリやインクジェット吐出条件最適化アプリ試作等)や、ステージサイズの10倍以上の拡張および温調ステージ設置による一括作製可能なサンプル数の増大により、次年度の実験計画加速の見通しを立てることができた。また材料の晶癖に関する検討を進めるなかで、アルキル化ベンゾチエノベンゾチオフェン誘導体2種について新規にX線結晶構造解析に成功し、アルキル鎖長による系統的な結晶構造変化や層状ヘリンボーン構造の形成とその相転移挙動の議論に重要となる結晶構造データを得た。独自に構築してきたデータベースの分析からも、ベンゾチエノベンゾチオフェンをはじめとしたパイ電子骨格を有する電子材料に関する分子パッキングの系統性や特徴が見出されており、これらの論文化および学会発表に向けた議論を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画において主要な役割を担うインクジェット装置に機能的な不具合が断続的に生じており、再現性のある実験を継続的に実施するのが困難な状況となったため、計画に変更が発生した。代替とする新規装置の導入・機能設計を優先したため、晶析実験には遅れが生じているが、実験の高効率化のための各種機能を盛り込んだ新規装置の活用と、今年度にさらに充実させたデータベースおよびデータ分析手法により、計画の遅れを取り戻す体制を整えられつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
R5年度前半は従来装置と新設装置の併用によりインクジェット法による網羅的晶析実験を進めつつ、晶析・観察・評価工程のハイスループット化のためのセットアップを新設装置について完了させることに注力する。予備的データの蓄積がある塗布型有機半導体を足掛かりに、低分子有機機能性材料を対象とした晶析実験の結果をふまえ、本研究における実験全体の条件設定の指針を早期に決定する。あわせてデータベースに格納した晶析実験の結果およびその他データを統合し、分析・モデル化を並行して進めることで、必要となる実験情報の収集を加速させる。
|