研究課題/領域番号 |
21K05245
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
東 正信 大阪公立大学, 人工光合成研究センター, 特任准教授 (10711799)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 人工光合成 / 光触媒 / 光電極 / 生体触媒 / 酸窒化物 / 硫化物 / ギ酸脱水素酵素 / 乳酸脱水素酵素 / NADH再生 / 二酸化炭素還元 / 水分解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人類が直面しているエネルギー問題などの解決に貢献するため、半導体光触媒と生体触媒を組み合わせた人工光合成系を開発する。半導体光触媒は、水を電子源にしてプロトンを還元して水素に変換や、二酸化炭素を還元して一酸化炭素やギ酸に変換することが可能であるが、競合反応がある場合、選択性の制御が困難という問題を有している。一方、生体触媒は、水を安定に酸化することは困難であるが基質特異性を有するためほぼ100%の選択率で物質変換(二酸化炭素からギ酸への変換など)することが可能である。そこで本研究では、半導体光触媒および生体触媒のの長所を組み合わせた、高効率なハイブリッド型人工光合成系を開発する。
|
研究成果の概要 |
光エネルギーを有用な化学物質に変換する人工光合成は,現在人類が抱えているCO2排出量増加による環境問題やエネルギー問題を解決できる方法の1つとして注目されている。そ本研究では、無機半導体光触媒と生体触媒を複合化した新規人工光合成系の構築を試みた。その結果、酸窒化物光アノードと硫化物光カソードからなる光電極系と、天然の補酵素NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)と乳酸脱水素酵素(LDH)からなる生体触媒系、および光電極系と生体触媒系を連結するロジウム錯体を用いることで、可視光照射下において水を電子源にしたNADH再生およびその後の生体触媒反応が進行することを実証した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで生体触媒を使った反応の多くは、トリエタノールアミンなどの犠牲還元剤を使用しており、持続的な反応ではなかった。本研究では、酸窒化物光アノードと硫化物光カソードからなる光電極系を導入することで水を電子源にすることが可能となり、持続的な生体触媒反応が可能となった。またNADHは様々な酵素の補酵素として機能するため、本研究で水を電子源としたNADH再生系を構築したことによって、生体触媒反応系への応用が可能である。 ギ酸脱水素酵素は二酸化炭素をギ酸に変換する触媒であり、この系に導入することで水を電子源に二酸化炭素を水素のエネルギーキャリアとして利用されるギ酸に変換できるため社会的意義は大きい。
|