研究課題/領域番号 |
21K05257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
石原 顕光 横浜国立大学, 先端科学高等研究院, 特任教員(教授) (30754006)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中温型燃料電池 / 酸素還元触媒 / 溶融硫酸水素塩 / 4族酸化物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究代表者が世界に先駆けて、低温型燃料電池のために開発した4族酸化物酸素還元触媒の、中温域(250~500℃)で作動するプロトン伝導性セラミック燃料電池の空気極への適用可能性を評価する。中温型のプロトン伝導性セラミック燃料電池は高温の酸化物形燃料電池よりも高電圧が期待されるため、電解質が活発に研究されているが、空気極の酸素還元反応の過電圧は大きな問題になる。そこで、本研究では、室温で酸素電極反応の平衡電位を達成可能であることが、理論計算により明らかにされている4族酸化物の、中温域での酸素還元触媒能の評価を試みる。そのため中温域で安定な電解質溶液を利用した新しい電気化学的評価手法を提案する。
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研究成果の概要 |
近年、250~500℃の中温域で高いプロトン伝導性を示すセラミクスが開発されているが、空気極で起こる酸素還元反応の反応速度が遅く、エネルギー変換効率が低下する。そのため、中温域で安定であり、高い酸素還元活性を示す触媒材料の開発が必須である。本研究ではまず、電気化学評価を行うセルの開発を進め構造が簡単なセルを実現した。それを用いて、貴金属を含む様々な触媒の酸素還元活性を評価したところ、白金などの貴金属触媒は、液体電解質中では、酸化物の形成が進行し、酸素還元を阻害することがわかった。一方、セラミクス電解質を用いた場合、貴金属触媒は平衡電位を達成でき、質の良い活性点となりうることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって開発した電気化学セルにより、これまで行われていなかった中温域での触媒材料の電気化学特性評価が比較的簡便に可能となった。このセルにより新規触媒開発が加速される。また、中温域での液体電解質とセラミクス電解質では、材料の安定性が大きく異なることがわかった。特に貴金属触媒では、セラミクス電解質を用いた場合には、安定であり、さらに酸素還元反応の理論電位を示すことがわかった。このことは、貴金属触媒は高い酸素還元触媒能を有することを示しており、触媒層の構造を制御して、大きな電流を取り出せるようにすれば、高効率でのエネルギー変換が可能であることを示唆している。
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