研究課題/領域番号 |
21K05258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
石井 陽祐 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80752914)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 高圧力 / 電気化学 / リチウムイオン電池 / 電析反応 / ダイヤモンドアンビルセル / 電池 |
研究開始時の研究の概要 |
「圧力」は温度ととともに熱力学を支配する重要なパラメータですが、蓄電池反応に与える圧力の効果については、実はほとんど明らかになっていません。電池開発では、特殊環境を対象とした基礎研究があまり注目されてこなかったからです。本研究では、最大3GPaまでの圧力下で電池測定を行うための新たな装置を開発し、電池反応に対して、圧力がどのように、どの程度の影響を与えるのか調査します。本研究は、超高圧という特殊環境下で使用するための先端蓄電池としてだけではなく、将来的に、全固体電池の開発・改良にも役立てられることが期待できます。
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研究実績の概要 |
リチウムイオン電池(LIB)の更なる高容量化に向け、Li金属の溶解・析出反応を利用した負極開発への期待が高まっている。Li負極の開発における課題は、充電時に析出するLi金属の形態制御である。Liは充電反応時に樹状結晶(デンドライト)が析出しやすく、この結晶が正極まで成長すると電池内が短絡し、爆発・発火を生じる危険性がある。このため、どのような条件で、どのような形状のLiが析出するか明らかにすることが重要である。これらの背景を踏まえ、本年度の研究では、LIB用有機電解液中におけるLi金属の電析反応に及ぼす圧力の影響の調査を行った。 具体的には1 M LiPF6/EC+DEC(1:1vol.)電解液中におけるLi金属の電析反応を、大気圧~0.4 GPaの圧力範囲で調査した。定電流電析に伴うクロノポテンショグラムを解析することで、金属Li結晶核の生成・成長に必要な過電圧を定量化し、電析生成物の形態を大気非暴露の電子顕微鏡観察により調査した。電流密度を0.13 mA/cm2と1.3 mA/cm2の2種類で変えて比較したところ、Liの析出形態におよぼす圧力の影響に差異が見られることが明らかとなった。0.13 mA/cm2で電析を行った場合、大気圧下(0.1 MPa)では太さが約2~10μmのデンドライト状の結晶が析出したが、0.13 GPaでは、デンドライトの析出は起こらなかった。一方、1.3 mA/cm2で電析を行った場合、大気圧下ではデンドライト析出は生じなかったが、0.13 GPaでは太さが約0.5~2μmのデンドライト状のリチウムの析出が確認された。交流インピーダンス測定とクロノポテンショグラムの解析により、圧力が高くなるほど結晶核生成に必要な過電圧が増大し、Li+の拡散抵抗が増大することがわかった。核生成過電圧とイオン拡散抵抗のバランスにより、析出形態の違いが生じたと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の実施期間は3年間である。1年目に高圧実験のための装置開発を行い、2年目からはその装置を用いた電気化学実験を開始する計画をたてた。 今年はその2年目に該当し、研究目的としたリチウムイオン電池電極反応の1例として、リチウム金属負極の反応に関する研究を実施した。リチウム金属の析出形態が圧力に影響を受けて変化する様子を明瞭に確認することができたので、当初計画通り、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の研究では最大圧力を0.13 GPまでに限定した実験を行ったが、この理由はこれ以上高い圧力になると液体電解液が凝固してしまい、電解液のイオン導電性が消失して電気化学実験を行えなくなるからである。より高い圧力での実験にむけて、3年目の研究では、液体電解質ではなく固体電解質を用いた実験に発展させたいと考えている。
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