研究課題/領域番号 |
21K05276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡本 亮 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30596870)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖タンパク質 / 糖鎖 / 水和 / タンパク質間相互作用 / 棟ペプチド / タンパク質 / ペプチド / 結合親和性 / タンパク質化学合成 / 糖ペプチド / 水素重水素交換 / ケモカイン / RGD / 化学合成 / CCL1 / グリコシル化 |
研究開始時の研究の概要 |
糖タンパク質や糖ペプチドなどの複合糖質は、糖修飾によって機能が変化するが、その理由は明らかにされていない。本研究では申請者が独自に見出した「水を介した糖の複合糖質活性調節能」の実証を目指す。このために、まず糖構造の異なる糖タンパク質、糖ペプチドの迅速な系統合成法を新たに確立し、その活性を調べる。そして、重水中での水素重水素交換実験から、糖周辺のタンパク質やペプチド部分の水との親和性の違いを実測し、糖の構造に応じた複合糖質の活性の違いを評価する。
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研究成果の概要 |
本研究ではまず糖鎖構造が異なる糖タンパク質の系統合成を可能にする効率的な新規合成法の確立に成功した。これによって得られた糖タンパク質を利用し、糖タンパク質上の糖鎖が水を介してタンパク質間相互作用に影響しうることを見出した。そこでこの知見を踏まえ、天然では糖鎖を持たないタンパク質に糖鎖を導入し、受容体との結合能を調べたところ、糖鎖が有意に結合能を向上させられることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖タンパク質などの複合糖質は、生物製剤として利用されている一方、糖修飾による機能変化の原理原則は明らかになっていない。本研究はタンパク質に結合した糖鎖は、水を介してタンパク質部分の受容体との結合親和性に影響する、という新しい知見を明らかにした。これは、未だタンパク質翻訳後修飾として機能が不明瞭であったタンパク質上の糖鎖機能に対して、明確な機能の定義を与えるという視点から、学術的進歩をもたらすものであるといえる。また、アミノ酸配列改変に寄らないタンパク質部機能改変を可能にするものであり、今後新しいタンパク質製剤のデザインなどへの応用が強く期待される。
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