研究課題/領域番号 |
21K05297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
八須 匡和 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 特別講師 (60587442)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | インフルエンザ / スルファチド / 糖鎖 / 有機合成 / インフルエンザウイルス / ヘマグルチニン |
研究開始時の研究の概要 |
スルファチドは、生体内に普遍的に存在する糖脂質であり、インフルエンザ感染時にウイルスの産生を促進させている。この働きはスルファチドとウイルスタンパク質であるヘマグルチニン (HA)との相互作用に起因する。 本研究ではこの相互作用に着目し、アニオン原子団である硫酸基を鍵とした種々のスルファチド類縁体を化学合成し、これまで不明確であったスルファチドとHA間の構造活性相関を調査し、その作用メカニズムについて分子レベルでの理解を目指す。同時に、スルファチドとHAの結合を阻害する類縁体について、既存薬とは異なる作用機序をもった新規インフルエンザウイルス増殖阻害剤として適用する基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
スルファチド (3-O-硫酸化ガラクトシルセラミド) は、生体内に普遍的に存在する糖脂質であり、インフルエンザ感染時にウイルスの産生を促進させている。この働きはスルファチドとウイルスタンパク質であるヘマグルチニン (HA) の相互作用に起因する。本研究ではこの相互作用に着目し、アニオン原子団である硫酸基を鍵とした種々のスルファチド類縁体を化学合成し、これまで不明確であったスルファチドとHA間の構造活性相関を調査し、その作用メカニズムについて分子レベルでの理解を目指す。同時に、スルファチドとHAの結合を阻害する類縁体について、既存薬とは異なる作用機序をもった新規インフルエンザウイルス増殖阻害剤として応用する基盤を構築する。 本年度はアグリコンをトリメチルシリルエチル基とした天然型および3位リン酸型のスルファチド類縁体のスケールアップ合成および3位デオキシ型類縁体の合成に着手した。出発原料のメチル α-D-ガラクトピラノシドに対して、スズアセタールを介したベンジル化を行い、3位のみをベンジルエーテル保護したガラクトース誘導体を得た。保護基を入れ替えた後に3位のヒドロキシ基をS-メチルキサンテートおよびチオカルボニルイミダゾレートに変換した。それぞれの化合物に対してラジカルによる還元を行った結果、S-メチルキサンテート誘導体からの3位デオキシ化誘導体の収率が良好であった。得られたデオキシ化誘導体に対してアセトリスを行い、テトラアセタート体へと変換した。現在はこの類縁体のアグリコンをトリメチルシリルエタノールとするための合成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度から引き続き、研究環境の変化によって実験機器類等の利用を制限せざるを得なかった。更に化合物精製の要である研究設備に重大な故障が生じ、年度内に予定していた化合物の合成を完了できなかった。このとから本年度の達成度を「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
スルファチド3位デオキシ型誘導体の合成を完了した後に、カルボン酸型誘導体の合成に着手する。カルボン酸型誘導体はデオキシ型誘導体と共通の中間体を利用する。次にガラクトースの3位ケト体を合成し、スルホン酸型およびホスホン酸型類縁体の合成へと展開し、化合物ライブラリーを揃え、生理活性を測定する。
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