研究課題/領域番号 |
21K05308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岩崎 哲史 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 助教 (40379483)
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研究分担者 |
鎌田 真司 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 教授 (20243214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自発老化細胞 / がん細胞 / メラノーマ / 細胞老化 / 巨大細胞 / SASP / 自発老化 / 巨細胞 / シグナル伝達 / 抗老化薬 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは加齢とともに身体の機能低下や機能障害が起こり、がんを始めとする加齢性疾患が増加する。しかし老化の細胞レベル、分子レベルでのメカニズム解明は十分には進んでいない。そこで本研究は、一定の割合で老化細胞を自然に生じる培養細胞「自発老化細胞」を用いて、老化細胞の形成、維持、周囲の組織・臓器への影響を明らかにする。さらに自発老化細胞を用いて抗老化薬を開発するための新しいツールを構築し、これを用いて抗老化薬を試作する。本研究の成果は老化生物学の基盤を確立するとともに、加齢性疾患の早期診断法の開発や治療法の確立、延いては健康寿命の促進や高齢者の生活の質の向上に貢献できると考えられる。
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研究成果の概要 |
近年、腫瘍組織中に老化細胞が出現し腫瘍悪性化に寄与することが報告されたが、その作用機序や分子機構は未解明である。我々はメラノーマ細胞から自発的に生じる巨大な老化細胞、自発老化細胞を見出した。自発老化細胞は腫瘍組織中の老化細胞のモデルと考えられるので、本研究ではその特性を解析した。自発老化細胞は過剰な細胞増殖シグナルにより形成促進されること、異常な細胞分裂により多倍数体を形成すること、老化することでアポトーシス耐性を得ることが明らかになった。また自発老化細胞からの分泌物は周囲の細胞に上皮間葉転換を引き起こすことが示された。自発老化細胞は腫瘍組織中の抗老化細胞薬の優れた探索系として確立できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の推進により、自発老化細胞の形成過程や安定性などの特性が明らかになった。また自発老化細胞はインターロイキンやマトリクスメタロプロテアーゼなどの分泌因子を介して周辺細胞に上皮間葉転換を誘導することが示された。さらに自発老化細胞に特異的に高発現している細胞表面タンパク質を薬剤の標的候補として選抜し、スクリーニング実験に適したシステムを構築することに成功した。本研究成果は加齢性疾患の早期発見や治療に直結するものであり、健康寿命促進と高齢者QOLの向上に大いに貢献できる。
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