研究課題/領域番号 |
21K05312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
内之宮 祥平 九州大学, 薬学研究院, 助教 (10770498)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ケミカルバイオロジー / 蛍光プローブ / 代謝経路 / 生体直交性反応 / β酸化 / フッ化物イオン / シリルエーテル保護基 / 夾雑系での蛍光検出 / 生体直交的脱保護反応 / 脂肪酸ベータ酸化 / 尿素回路 |
研究開始時の研究の概要 |
疾病における代謝変化の解明は、疾病機構の理解や創薬に重要である。最近では特に細胞ごとの代謝不均一性を解明することが重要であると指摘されているが、これまで標的代謝経路を一細胞レベルでイメージング可能な蛍光プローブはほとんど報告されていない。これは、代謝経路の基質選択性が高いため、蛍光色素を直接導入している一般的な蛍光プローブでは標的代謝経路の基質になりにくいためである。そこで、本研究では基質選択性の問題をクリアする新しい蛍光イメージング戦略を提案する。これを用いて、エネルギー生産経路の一つである脂肪酸β酸化と様々な生体分子合成の起点となる尿素回路を一細胞レベルで検出する。
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研究実績の概要 |
様々な代謝経路の活性は疾病細胞と通常細胞で異なるため、標的代謝経路の活性を測定する手法の開発は疾病メカニズムの解明や創薬に重要である。しかし、標的代謝経路の活性を一細胞レベルで検出可能なケミカルツールの開発は未開拓の状態である。この原因の一つに、代謝経路の基質選択性は高いため標的経路の基質となるケミカルプローブを探索することが困難であることが挙げられる。そこで本研究では、基質選択性の問題をクリアし様々な代謝経路に適応しうる汎用性の高い蛍光イメージング戦略を提案する。具体的には、蛍光色素を基質に直接導入する設計を避け、フルオロ基部位を導入した基質とシリル保護基を有する蛍光色素を用いる。基質が代謝されることでフッ化物イオンを放出し、続くシリル保護基の脱保護によって蛍光Off/Onイメージングを行う戦略である。 細胞内でフッ化物イオンによってTBSやTBDPSなどのシリル保護基を脱保護するためには高濃度(~ 1 mM)のフッ化物イオンが必要であり、本戦略が代謝反応によって生じたフッ化物イオンを検出するためには脱保護反応速度を向上させる必要がある。そこで、フッ化物イオンによるシリル保護基の脱保護反応速度の向上を行った。その結果、シリル保護基にアルコキシ基を導入することで、TBSやTBDPS基などと比較して、フッ化物イオン応答性を500倍以上向上させることに成功した。続いて、生細胞内での代謝経路の検出を行うため、脂肪酸を分解する経路であるβ酸化に着目した。プローブとしてはシリル保護基を導入したクマリンを合成した。プローブ存在下、フルオロ基を導入した脂肪酸を生細胞に添加したところ、クマリン蛍光の上昇が確認された。一方この蛍光上昇はβ酸化阻害剤を添加した条件では検出されなかったことから、本システムによって細胞内でβ酸化経路を検出可能であることが分かった。
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