研究課題/領域番号 |
21K05330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
浦口 晋平 北里大学, 薬学部, 講師 (20638837)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | DNA損傷 / ファイトケラチン / 根端分裂組織 / 有害金属 / シロイヌナズナ / SOG1 / 細胞分裂 / 根端メリステム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ヒ素,水銀,カドミウムのような有害金属が植物の根端分裂組織に及ぼす毒性のトリガーとして,DNA損傷の可能性をまず検証する。そのために,モデル植物のシロイヌナズナにおいてリアルタイムPCRをベースとした新奇DNA損傷の定量法を開発する。さらに,DNA損傷の下流で制御される細胞周期・植物ホルモン作用に与える有害金属の影響を解析し,根端分裂組織の有害金属毒性からの防御応答を明らかとする。
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研究実績の概要 |
まず,有害金属ストレスが植物の根端においてDNA損傷ストレスを生じるのか検証することを目的として,初年度に確立したリアルタイムPCRによるDNA損傷評価系を用いて,シロイヌナズナの野生型および有害金属感受性の変異株cad1-3の根端におけるDNA損傷レベルを様々な有害金属ストレス条件下で評価した。亜ヒ酸,カドミウム,無機水銀,フェニル水銀はいずれもDNA損傷を誘発したが,野生型と変異株cad1-3の違いは明確ではなかった。変異株では細胞質の有害金属をキレート化するペプチド・ファイトケラチンを合成できないため,有害金属によるDNA損傷が野生型に比べて亢進されるという仮説を立てていたが,cad1-3でDNA損傷が高くなったのはフェニル水銀処理のみで,亜ヒ酸,カドミウム,無機水銀については野生型とcad1-3ともにDNA損傷は同程度であった。 続いて,有害金属ストレスが植物の根端分裂組織の機能に及ぼす影響を明らかとするため,cad1-3の根端をモデルに組織や細胞の形態や細胞死の発生について顕微鏡観察を実施した。その結果,亜ヒ酸ストレスでは分裂組織内の維管束部で細胞死を特異的に観察した。亜ヒ酸による根の伸長の停止は可逆的で,亜ヒ酸ストレスの解除により根伸長は再開された。一方,カドミウムでは根端分裂組織の移行領域周辺にダメージを生じ,カドミウムストレスを解除してもダメージからの回復は観察されなかった。 Ku70やRAD51などDNA損傷修復に関わる分子のシロイヌナズナ変異株を取得し,cad1-3との二重変異株を作成した。pWOX5-WOX5-GFPやpCYCB1;2-CYCB1;2-YFPなどのマーカー系統についても交配によってcad1-3背景への移植を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に開発したDNA損傷定量法を用いて,有害金属ストレスが根端分裂組織においてDNA損傷を生じているのか検証できた。亜ヒ酸やカドミウムなど有害金属に特異的な毒性・根端に対する影響を顕微鏡観察によって見出した。DNA損傷修復関連の変異株や細胞分裂マーカー系統のcad1-3背景への移植を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
有害金属による根端のDNA損傷の蓄積について,時間依存的な解析を進める。DNA損傷応答のマスター制御因子であるSOG1の変異株を用いてDNA損傷の定量を行う。DNA損傷修復関連の変異株やマーカー系統の有害金属ストレス下での挙動を解析する。
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