研究課題/領域番号 |
21K05335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
下田 宜司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (80415455)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 根粒共生 / 窒素固定 / マメ科植物 / 根粒菌 / プロテアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
ダイズなどのマメ科植物は根粒菌と共生することで根に根粒を形成し、その内部に共生した根粒菌が固定した空中窒素を栄養源として利用することができる。本研究は、根粒の窒素固定活性を制御するメカニズムを、植物プロテアーゼの解析を通して明らかにする。
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研究実績の概要 |
昨年度、GFPとの融合タンパク質を用いて、SYM102がミトコンドリアに局在することを明らかにした。そこで本年度は、sym102変異体では、ミトコンドリアの機能異常により窒素固定に異常が生じているという仮説を立て、その検証を行った。まず野生型植物およびsym102変異体のATP含量を調べた。窒素栄養を制限した条件で根粒菌を接種し、2週間後の根よび根粒のATP含量をルシフェラーゼ発光法を用いて解析したところ、sym102変異体では、根および根粒のいずれも野生型植物よりもATP含量が低い傾向が認められた。次に、本研究開始前に行った電子顕微鏡観察により、根粒のミトコンドリアの形態を改めて調べたところ、野生型植物では内部構造がはっきりしたミトコンドリアが観察されたのに対し、sym102変異体では崩壊したミトコンドリアが複数見られた。以上の事から、sym102変異体では、ミトコンドリアの機能異常により、窒素固定のエネルギーであるATPが不足し、その結果、窒素固定活性の低下が引き起こされている可能性が見出された。今後は、ATPの添加によりsym102変異体の共生表現型に変化が見られるかどうかについて検証を行う予定である。 また本年度は、上記の解析に加えて、これまでに同定した5つのsym102変異体アリルについて、植物の成長と根粒表現型(根粒数と根粒外観の経時変化、および根粒サイズ)のデータ取得を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
sym102変異体の根粒の生理状態について、いくつか重要な結果を得ることができたが、結果の再現性をとる必要があることと、研究成果の発表には至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
sym102変異体の根粒の生理状態について、得られた結果の再現性を確認する。
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