研究課題/領域番号 |
21K05339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伏見 圭司 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命准教授 (80787581)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 光制御機構 / 光受容体 / 光感知 / UV-Vis スペクトル / 真菌類(カビ・キノコ) / 生活環 / 分化誘導 / 子実体形成 / フィトクロム / ビリン色素 / 真菌類 / 生体分子 / 分化誘導制御機構 |
研究開始時の研究の概要 |
光受容体は、非光合成生物である真菌類(カビ・キノコ)にも存在する。真菌類は複数の形態を繰り返す生活環をもち、光受容体によって光を感知することで分化が誘導されている可能性がある。 本研究は、「カビ」と「光」の関係に焦点を当て、形態変化の「鍵」となる生体分子を発見し、分化誘導制御機構を解明するための基盤構築として、1. カビがもつ光受容体の解析、2. カビの有性世代・無性世代の交代を制御する培養条件の検討、3. 光を感知することで質的・量的に変動する生体分子の探索と生物活性の評価を行う。 最終的には、なぜキノコが生えるのか?という謎に迫り、子実体の形成を誘発する活性物質の発見と発現機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
モデルキノコであるウシグソヒトヨタケ(Coprinopsis cinerea)に由来する短波長光感知型光受容体 CcPhotolyase、CcDst-1、CcDst-2、CcWC2 と長波長光感知型光受容体 CcFphA に着目し、各分光特性の解析を試みた。 各光受容体のドメイン構造とモデリング構造から光感知に関与する領域を抽出し、各々の領域をクローニングした後、His-tag 融合タンパク質として発現させるために pET28a ベクターに導入した。取得したプラスミド DNA を大腸菌内で発現、抽出後、目的のタンパク質をアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって精製し、UV-Vis 分光光度計による吸収波長特性の解析を試みた。 CcDst-2 は紫外光ー青色光の吸収を示した。先行研究において、CcDst-2 は色素結合領域(FAD binding 4 domain)が分割しているのにも関わらず、その遺伝子破壊株は正常な子実体を形成できないことから CcDst-2 の機能は遺伝学的に明らかにされていたが(Kuratani, Masaki et al., Fungal Genet. Biol., 2010)、分光特性については言及されていなかった。本研究では、CcDst-2 が紫外光ー青色光を感知できることを初めて明らかにした。 CcFphA は赤色光ー遠赤色光の光変換を示した。先行研究において、モデルカビである Aspergillus nidulans に由来する長波長光感知型光受容体 AnFphA の分光特性が報告されていたが(Blumenstein, Anne. et al., Curr. Biol., 2005)、キノコ(担子菌)に由来するものについては検討されていなかった。本研究では、CcFphA が赤色光ー遠赤色光を感知できることを初めて明らかにした。
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