研究課題/領域番号 |
21K05344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
田中 直孝 香川大学, 農学部, 教授 (60324109)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アグマチン / アグマチナーゼ / 分裂酵母 |
研究開始時の研究の概要 |
アグマチンというポリアミン生合成経路の中間物質が単なるオルニチンを介した主経路の代替経路ではなく、発酵中の菌叢の中での環境変化を認識する機構として、独自な制御機構の存在が分かってきた。本研究では①アグマチンが外部環境変化のシグナル物質として機能している可能性②多様な遺伝子発現制御と未知転写因子が関与している可能性③アグマチナーゼがアグマチン添加により誘導され、制御された局在化機構の存在、④アグマチンがどのように細胞内に取り込まれ、ゴルジ体内腔まで輸送されるのか ⑤原核微生物のアグマチナーゼとは異なる酵素学的諸性質⑥アグマチン誘導性のプロモーターとして基礎・応用的な利用方法の開発、を目的とする。
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研究実績の概要 |
アグマチンというポリアミン生合成経路の中間物質が単なるオルニチンを介した主経路の代替経路ではなく、発酵中の菌叢の中での環境変化を 認識する機構として、独自な制御機構の存在が分かってきた。本研究では1アグマチンが外部環境変化のシグナル物質として機能している可能 性2多様な遺伝子発現制御と未知転写因子が関与している可能性3アグマチナーゼがアグマチン添加により誘導され、制御された局在化機構の存在、4アグマチンがどのように細胞内に取り込まれ、ゴルジ体内腔まで輸送されるのか 5原核微生物のアグマチナーゼとは異なる酵素学的 諸性質6アグマチン誘導性のプロモーターとして基礎・応用的な利用方法の開発、を目的とする。 アグマチン添加によって生じる多様な遺伝子の発現と制御機構の解析:次世代シーケンサーを用いたRNA-Seq解析を行い、アグマチンの添加による遺伝子発現の変化を網羅的に確認している。現時点で、優位な発現誘導を示す遺伝子が複数見つかっており、発現の確認を行う計画である。これらの結果をもとに、各種破壊株のアグマチン感受性を抑制することを指標にした、各種遺伝子ライブラリーを用いたサプレッサーの単離も検討中である。 アグマチナーゼの制御されたゴルジ体膜局在化機構の解析:細胞質領域・膜貫通領域・内腔の領域でゴルジ体局在化に重要 な領域をアミノ酸レベルで解析するために、いくつかの候補を挙げて作製中である。 アグマチンがどのように細胞内に取り込まれ、ゴルジ体内腔まで輸送されるのか “アグマチンの輸送機構”の解析:候補となる輸送体の遺伝子破壊株を作製中である。 アグマチン誘導性のプロモーターとして基礎・応用的な利用方法の開発:プロモーター欠損領域の解析により、上流の範囲を絞り込んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経時的な順序が入れ替わっているが、概ね計画に従って進んでいる。RNA-seqの1回目のデータが取れたことにより、さらなる発展が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
アグマチンが外部環境変化のシグナル物質として機能している可能性:自然界や発酵環境において酵母と共存する麹菌や乳酸菌の培養液中には数十 mMのアグマチンが分泌されることから、分裂酵母との共培養により、アグマチナーゼが発現するかどうか、発現解析を行う。 アグマチン添加によって生じる多様な遺伝子の発現と制御機構の解析:次世代シーケンサーを用いたRNA-Seq解析も現在の結果に応じて、追加解析の是非を検討する。 アグマチナーゼの制御されたゴルジ体膜局在化機構の解析:アグマチン誘導性のゴルジ体局在化に必要な領域とアグマチンを培地から除去した時の速やかな液胞への 選別輸送に必要な領域を解析する。 アグマチンがどのように細胞内に取り込まれ、ゴルジ体内腔まで輸送されるのか “アグマチンの輸送機構”の解析:培地の pHと取込みが連関していることや、エンドサイトーシス変異株ではアグマチンの取込みに影響が出ていることから、細胞膜やゴルジ体膜での特定の輸送体の存在だけでなく、エンドサイトーシスによる直接的な取込みや受容体の存在、さらに、アグマチンの排出も考慮しながら、ゴルジ体に蓄積しているのか解析を行う。 原核微生物のアグマチナーゼとは異なる酵素学的諸性質:各種アグマチナーゼ 変異体を過剰発現させる実験系が可能になったことから、分裂酵母から抽出液を調製し、詳細に酵素活性の解析を行う。 アグマチン誘導性のプロモーターとして基礎・応用的な利用方法の開発:アグマチン誘導性に必須な領域が存在することが分かってきた。必須遺伝子や、細胞周期、糖鎖の生合成に関わる遺伝子を下流につなぎ 、アグマチンの有無による表現型の変化が忠実に再現できるかどうか解析を行う。
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