研究課題/領域番号 |
21K05352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
倉田 淳志 近畿大学, 農学部, 准教授 (10416000)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞外膜小胞 / 腸内細菌 / 抗体 / 蛍光顕微鏡観察 / 免疫賦活 / タンパク質 / 核酸 / サイトカイン / 免疫賦活作用 / Toll様受容体 / リポタンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
発酵食品細菌や腸内共生細菌は細胞外に多様な物質を生産し、これらの発酵産物が我々の健康増進に寄与していることは経験的に明白である。申請者の研究から、「細菌が菌体外に放出する細胞外膜小胞は、ナノサイズの発酵産物である」と考えることができる。この膜小胞が免疫賦活作用を示すことを実証できたので、共生細菌由来のナノサイズの発酵産物の有効活用技術を開発する。
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研究実績の概要 |
腸内細菌が放出する膜小胞は、宿主の免疫賦活作用を示すため、ワクチンアジュバントへの応用が期待される。しかし膜小胞によって増強される免疫応答は不明であり、膜小胞による宿主細胞への作用機序も不明である。膜小胞の生産機構は不明であり、免疫賦活能に優れた膜小胞の高生産株は育種されていない。膜小胞の活用には、これらの点を解明する必要がある。すでに発酵食品や腸から独自に分離した細菌の膜小胞に、IgAやIgGという抗体の生産量を増加できるアジュバント活性を発見し、膜小胞による免疫細胞への作用機序を解明しつつある。そこで新たなアジュバント開発を目的として、独自の膜小胞を対象に(1)抗体の産生誘導活性を担う物質の同定、(2)膜小胞に対する腸管細胞層の応答や透過性の解明、(3)細菌による膜小胞の形成・分泌機構の解明を行う。 2022年度は、(1)Lactiplantibacillus属細菌、Bifidobacterium属細菌の膜小胞中のタンパク質に注目して、細胞外膜小胞特異的な蛍光色素や抗体を用いて、膜小胞や膜小胞画分に含まれるタンパク質による宿主細胞への作用機序と、これらによって惹起される細胞応答を明らかにできた。さらに(2)膜小胞の高生産条件を検討して、膜小胞高生産株の育種を試みた結果、良好な結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、腸内細菌由来の細胞外膜小胞が、免疫細胞や腸管上皮細胞に作用する様子を蛍光顕微鏡観察によって明らかにできた。以上から、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
腸内細菌由来の膜小胞の中で、免疫賦活作用に優れた膜小胞を得た。その膜小胞を効率よく得るために、生産する細菌の育種や生産条件の検討を行う。
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