研究課題/領域番号 |
21K05353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
松永 渉 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20415300)
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研究分担者 |
後藤 章暢 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | TRAIL / 大腸菌 / 腸内フローラ / 腸内細菌叢 / 乳酸菌 / 大腸がん / がん予防 / 遺伝子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ヒトの腸内フローラは「お腹の調子を整える」以上に広範な機能を持つことが明らかとなり、腸内フローラの重要性は今や一つの臓器にも例えられて、腸内フローラへの社会的関心は非常に高まっている。しかし、健康食品の宣伝文句と違い、サプリメントで腸内フローラに永続的な変化を起こすことは極めて困難である。一方、糞便細菌叢移植(FMT)は、腸内フローラの改良に効果的だが、「悪玉菌」も同時に導入される危険やその他の不確定要素が多い。本研究は、主に大腸がん予防の観点から、FMTに代わる効果的な腸内フローラ改善法を開発し、さらに遺伝子操作した腸内細菌による革新的な大腸がん予防法の開発を目指している。
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研究実績の概要 |
近年、ヒトの腸内フローラには「お腹の調子を整える」以上に広範な機能を持つことが明らかとなり、腸内フローラの重要性は今や一つの臓器にも例えられている。しかし、健康食品の宣伝文句と違って、サプリメントで腸内フローラに永続的な変化を起こすことは不可能に近い。一方、最近日本に紹介された糞便細菌叢移植(FMT)は、腸内フローラの改良に効果的だが、いわゆる「悪玉菌」も同時に導入されるために危険や不確定要素も多く、また不潔感から来る拒否感もあって普及度が低いのが実情である。本研究は、主に大腸がん予防の観点から、FMTに代わる効果的な腸内フローラ改善法を開発し、さらにより積極的な手段として、遺伝子操作した腸内細菌により腸内フローラを介したがん予防法の開発を目指している。 昨年度は、外来の菌との区別が容易な乳酸菌を主なモデル細菌としてマウスに摂取させ、腸内フローラの改善効率を調べたところ、どのような方法でも単純な経口投与以上の導入効果はなく、特殊な方法を使う必要がないと結論した。 よって本年度は、外来菌の導入方法についての検討は止めて、もう一つの目的である遺伝子操作した大腸菌による大腸がん予防法の開発に集中し、受容体(Death Receptor 4および5)を介してがん細胞にアポトーシスを引き起こすTNF関連アポトーシス誘導リガンド(TNF-related apoptosis-inducing ligand, TRAIL)を産生する大腸菌の開発した。また、TRAILは不溶性であるため、可溶性に修飾されたTRAILを産生する大腸菌も開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、受容体(Death Receptor 4および5)を介してがん細胞にアポトーシスを引き起こすTRAIL (TNF 関連アポトーシス誘導リガンド)を産生する大腸菌の開発に注力した。一般のTRAILは不要性なので、可溶性TRAILを産生する大腸菌も開発しており、一応は目的となるTRAILの発現も確認できたが、ベクター構築に手間取ったため、in vitroによる効果の検証までは行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
外部からがんに作用するTRAIL(TNF-related Apoptosis Inducing Ligand)を産生する大腸菌は作成できたため、in vitroもしくは動物実験によってがんの成長抑制効果を検討したい。その一方、大腸菌は物質をプリペラズム(細胞内膜と外膜の間)には分泌させられるが、菌体外に分泌させるのは難しいため、エンテロトキシンと同様に菌体外に分泌させるよう設計するか、菌体外への分泌が可能な出芽酵母にTRAILを産生させる方法も考える。
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