研究課題/領域番号 |
21K05354
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
渡部 綾子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 主任研究員 (00533423)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | Campylobacter jejuni / セリン取込み機構 / セリン合成機構 / カンピロバクター食中毒 / アミノ酸代謝 / セリン取り込み機構 |
研究開始時の研究の概要 |
カンピロバクター食中毒は、鶏腸管内に定着しているCampylobacter jejuniが可食部に付着し、鶏肉とともに本菌が喫食され、ヒト腸管内に定着し増殖することで発症する世界的に深刻な問題である。本菌の増殖に重要なアミノ酸のうち、セリン取込みおよび合成機構には未解明の事が多い。そこで本研究では、セリンと高い親和性を示すタンパク質、CjSBPとCjSBP-2がセリン取込みおよび合成機構を制御するメカニズムを解明し、C. jejuniの鶏腸管内における増殖を阻止するという、耐性菌の発生リスクを抑えた従来にない発想の食中毒リスク低減法の実現を目指す。
|
研究成果の概要 |
カンピロバクター食中毒の起因菌であるCampylobacter jejuniの増殖に主要なエネルギー源であるセリン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびプロリンのうち、特にセリンは重要である。しかし、C. jejuniにおけるセリン取込みおよび合成機構は解明されていない。 本研究では、C. jejuni NCTC 11168株においてセリンに高い親和性を示す2つのタンパク質(CjSBPとCjSBP-2)がヘテロ二量体を形成しセリンの取込みに関与し、CjSBPがホモ二量体を形成し、セリンの合成に関与していることを明らかにした。さらに、cjsbp遺伝子の合成制御を担っている遺伝子群を同定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Campylobacter属菌において、複数のタンパク質が関与する膜タンパク質を介したアミノ酸の取込み機構の解析は前例がなくその学術的独自性は非常に高い。 わが国で発生したカンピロバクター食中毒の原因食品として最も多いのが加熱不十分の鶏肉であるが、鶏肉の本菌汚染率が高いため食中毒の発生件数を低減できない状況にある。本研究によりC. jejuniの鶏腸管内における増殖を阻止する資材を開発し、食中毒リスク低減の実現につながることが期待される。
|