研究課題/領域番号 |
21K05357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
土肥 裕希 筑波大学, 生命環境系, 助教 (20705412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ルミクロム / リボフラビン / ビタミン / 放線菌 / 複素環式化合物 / 生分解 / 代謝 / プラスミド / 微生物分解 / 物質循環 / トランスポゾン |
研究開始時の研究の概要 |
リボフラビンは植物や微生物によって生産される水溶性ビタミンであり、自然界に広く存在する。生体から自然環境中に放出されたリボフラビンは光分解などを受けて容易にルミクロムとなるが、生じたルミクロムの環境動態は明らかにされていない。本研究では、申請者によって発見・報告されたルミクロム分解能を有する放線菌Rhodococcus sp. LC-2株のルミクロム分解機構を解明することで、環境中におけるルミクロムの微生物分解経路を明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究では放線菌Rhodococcus sp. LC-2株のルミクロム分解機構を解明した。ルミクロムはビタミンB2として知られているリボフラビンから化学または酵素反応によって産生されるが、その環境動態は明らかにされていなかった。 トランスクリプトーム解析によって、LC-2株が有する線状プラスミド上の特定の遺伝子群の発現がルミクロム存在下で顕著に増加することを見出した。この遺伝子群の遺伝子破壊株、コードされている酵素タンパク質の機能、およびLC-2株のルミクロム培養物から検出された分解中間体の構造の解析などから、ルミクロムは水酸化、加水分解、脱アミノ、脱炭酸を経て分解されることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、未解明であったルミクロムの環境動態に着目し、土壌細菌によるルミクロムの微生物分解機構の一部を解明した。さらに、その分解酵素の系統および機能解析から、微生物がルミクロム分解のための機能を進化・獲得していたことを見出した。 本研究の成果は、微生物の新たな代謝機能を見出しただけでなく、環境中に漏出したビタミンの環境動態に新たな知見を提供したことから、微生物学だけでなく、環境学・生態学の面でも高い学術的意義があると考えられる。また、リボフラビンは植物バイオマスに豊富に含まれることから、それを分解代謝する土壌細菌の動態は畑作に最適な菌叢の構築と維持においても重要な知見となることが期待される。
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