研究課題/領域番号 |
21K05363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大塚 北斗 名古屋大学, 創薬科学研究科, 助教 (10632151)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | eclファミリー遺伝子 / ecl3+ / 栄養飢餓 / 経時寿命 / リン / 性分化 / 細胞周期 / Ecl1ファミリー遺伝子 / ecl1+ / オートファジー / サイクリン / 分裂酵母 / 硫黄飢餓 / Ecl1 family 遺伝子 / 硫黄 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞周期はサイクリンを含む、さまざまな因子によって厳密に制御され、サイクリンは周期的にユビキチン-プロテアソームによって分解されることはよく知られている。予備的研究によって、栄養枯渇時、細胞がG0期停止する際は、サイクリンはユビキチン-プロテアソーム系だけではなく、オートファジーによっても分解される証拠が得られつつある。本研究によって、分裂酵母の硫黄枯渇応答および細胞寿命制御因子である、Ecl1 family遺伝子のさらなる理解に繋がるだけでなく、これまでの常識を覆すサイクリンの新たな分解機構の発見に繋がることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究計画では、「硫黄枯渇下の細胞小型化の解析-サイクリン分解とオートファジーの関わり-」の題目のもと、硫黄飢餓条件における細胞小型化とサイクリンの関係について、その解析を行った。 特に今年度は、分裂酵母の硫黄飢餓下を含む栄養飢餓応答、栄養飢餓に対する細胞周期制御、栄養飢餓応答遺伝子であるecl family遺伝子らの解析を行った。特に、これまでecl family遺伝子のうち、ecl3遺伝子のみ、その発現機構がわからなかったが、今回、その発現機構を解明できた。また、酵母細胞の寿命についても、初めて分裂酵母の胞子の寿命を測定し、その結果、これまで知られている長生きの条件である窒素飢餓下の細胞以上に胞子細胞は長生きすることを報告した。 これらの結果やこれに付随する研究結果から導かれた研究は、以下の論文にまとめ、発表した。 1.Ohtsuka H et al. “Sporulation: A response to starvation in the fission yeast Schizosaccharomyces pombe .” MicrobiologyOpen. (2022). 2. Maruyama T et al. "Characterization of hexose transporter genes in the views of the chronological life span and glucose uptake in fission yeast." The Journal of general and applied microbiology. (2022). 3. Ohtsuka H et al. "The ecl family gene ecl3+ is induced by phosphate starvation and contributes to sexual differentiation in fission yeast. "Journal of Cell Sciense. (2023).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、分裂酵母の硫黄飢餓下を含む栄養飢餓応答、栄養飢餓に対する細胞周期制御、栄養飢餓応答遺伝子であるecl family遺伝子らの解析を行った。特に、これまでecl family遺伝子のうち、ecl3遺伝子のみ、その発現機構がわからなかったが、今回、その発現機構を解明できた。また、酵母細胞の寿命についても、初めて分裂酵母の胞子の寿命を測定し、その結果、これまで知られている長生きの条件である窒素飢餓下の細胞以上に胞子細胞は長生きすることを報告した。 これらの結果やこれに付随する研究結果から導かれた研究は、論文にまとめ、発表した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの解析で、寿命制御遺伝子ecl family 遺伝子がtarget of rapamycin complex 1 (TORC1)を抑制することで、栄養飢餓においてオートファジーを誘導することがわかっている。今回、硫黄飢餓と同様に、リン酸飢餓でもecl family 遺伝子がTORC1を抑制することがわかった。今後、Ecl1タンパク質らがどのようにしてTORC1を抑制しているのかを解析する。 また、Ecl1らの分子機構はまだ不明な部分が多いため、その解析も継続する。
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